リフォームにかかる費用をローンでまかないたい!リフォームローンの上手な活用方法
リフォームは、マイホーム、車に続く人生の中で大きな買い物のひとつ。
額が大きいからこそ、しっかりと資金計画を立て、うまくやりくりしたいものですね。
実はリフォームには専用のローンがあることをご存じですか?
住宅ローンの認知度は高いですが、リフォームローンを知らない方は意外に多いようです。
対象となるのは大規模なリフォームだけでなく、部分的なリフォームも含まれます。
今回は、リフォームローンのメリット・デメリット、上手なローンの使い方についてご説明します。
目次
リフォームローンとは
まずはリフォームローンの特徴について簡単にまとめてみました。
住宅ローンとの違い
住宅を購入する際の住宅ローンには、借入にあたり担保が必要です。
担保は、ローンの返済ができなくなった場合、返済金の代わりに金融機関に提供されます。
住宅ローンでは、購入する土地や住宅を担保とすることがほとんどです。
一方、リフォームローンは担保の必要な「担保型」と、
担保の不要な「無担保型」の2種類があります。
これが住宅ローンとリフォームローンの大きな違いです。
リフォームローンの対象となるのは、リフォーム全般です。
キッチンやお風呂などの水回りの改装や、家全体の増改築はもちろん、
商品によっては車庫の設置や造園なども対象となります。
最近では、太陽光発電設備や蓄電池の設置も対象となるリフォームローンもあるようです。
リフォームローンはほとんどの金融機関で取り扱いがあります。
住宅金融支援機構が実施した「民間住宅ローンの貸出動向調査(2018年度)」によれば、
94%の金融機関が取り扱いがあると回答しています。
リフォームでローンを組むメリット
例えば、キッチンのリフォームとお風呂のリフォームの両方を行う場合を考えてみましょう。
別々に行うと、2つのリフォームに共通するコストは、2回発生することになります。
職人さんの人件費や、工事箇所ではない部分をカバーする養生費用などです。
これを1回のリフォームにまとめると、共通コストの削減ができ、お得にリフォームをすることができるのです。
さらに、まとめた方が工期も短く、日常生活への影響も少なくて済みます。
この考え方は、以前取り上げた、リフォームのセットプランと同じですね。
複数のリフォームを同時に行うと、コストパフォーマンスは上がりますが、全体のコストは上がります。
そこでリフォームローンの登場です。
自己資金だけでなく、リフォームローンという選択肢も候補に入れ、効率のよいリフォームを目指しましょう。
「担保型」と「無担保型」
リフォームローンは住宅ローンと異なり、「担保型」と「無担保型」の2種類があります。
それぞれのメリット・デメリットを詳しく説明しましょう。
担保型
「担保型」のリフォームローンは、担保の設定が必要です。
住宅ローンと同じく、自宅などを担保に入れるケースが多いです。
担保型には、借入額が大きく、金利が低く、返済期間が長いという3つのメリットがあります。
担保を設定する分、借入条件が緩和されると考えてよいでしょう。
ケースバイケースですが、無担保型では借入金額が1,000万円までであるのに対し、
担保型では5,000万円までなど大きな違いが生まれます。
大規模なリフォームやリノベーションの場合には、担保型が適しています。
一方デメリットは、担保の設定には費用がかかること。
自宅などを担保に入れる場合、担保設定のための手続きが必要となり、設定費用として数万円が発生します。
見落としがちですが、金利に加えて担保設定費用も、コストとして織り込む必要があるのです。
リフォーム工事の額次第では、無担保型とトータルコストが変わらないことも考えられます。
そうなると、比較的事務手続きの簡易な無担保型の方が、負担が少ないと感じるかもしれません。
「担保型」と「無担保型」、どちらのタイプのリフォームローンを選ぶかは、
発生するすべてのコストを合算して考えるとよいですね。
無担保型
無担保型のメリットは、担保型に比べて審査等の手続きが早く、手軽な点です。
審査そのものも、無担保型の方が厳しくないという話もあります。
担保型の審査には1週間ほどかかるのに対し、
無担保型は最短で当日に審査結果が出るものもあります。
早いものでは、申し込みから1週間ほどで借り入れができる商品もあるようです。
担保型に比べると簡易な手続きのものが多いため、急ぎの場合には無担保型のリフォームローンが便利です。
デメリットは、まさに担保型の反対で、借り入れできる金額が小さく、金利が高く、返済期間が短い傾向があります。
リフォームの規模や自己資金なども含めて検討し、
どちらのタイプのリフォームローンが適するのか、総合的に判断しましょう。
気になるローンの金利
金利とは、返済時に借入金額に上乗せして支払う利息のことです。
どのリフォームローンにするのか決める際に、大切な判断基準になります。
金利の基本的な3つの種類について、改めて確認しておきましょう。
全期間固定金利型
「全期間固定金利型」はその名の通り、借入期間中ずっと一定の金利となります。
景気の影響などを受けず、金利が上がることもなければ下がることもありません。
メリットは、市況に左右されないことです。
金利が上昇傾向にあるときに、よく選ばれる種類ですね。
金利が揺れ動くことがないため、長期の見通しが立てやすい点も魅力です。
デメリットも同じで、市況が低金利になっても、
全期間固定金利型ローンの金利は変わりません(金利が下がりません)。
先々の見通しをしっかりと立て、計画的な資金運用をしたい方におすすめです。
変動金利型
「変動金利型」は一定のタイミングで、金利が市況に合わせ見直されます。
通常1年に2回の見直しが一般的です。
メリットは、市場動向に合わせ低金利になれば、その恩恵を受けられること。
デメリットは、市況によっては金利が上がるリスクがあることです。
返済期間を通じて金利の動向を予測するのは困難ですが、
トータルとして全期間固定金利型より安く抑えられる可能性もあります。
デメリットを理解したうえで、少しでも安く抑えたい人に向いています。
固定金利選択型
「固定金利選択型」は、ローン期間がスタートして一定の間は固定金利、
その後に固定型もしくは変動型のどちらかを選ぶことができるタイプです。
メリットは、はじめの固定金利の期間に金利優遇を受けることができるケースが多いこと。
例えば、早いうちにローンを繰り上げ返済し、
将来の残高を少しでも減らしたいなどという、柔軟な運用計画を立てることができます。
デメリットは、固定金利期間終了後、
優遇措置が終わるため金利がアップする可能性があることです。
将来の資金計画を踏まえ、自分にあったタイプを選択したいですね。
ちなみにどの金利タイプても、すでに同じ銀行で住宅ローンを組んでいる場合や、
給与の振込口座を持っている場合などは、金利の優遇制度がある銀行もあります。
リフォームローンを検討する際は、まず日頃使っている銀行に相談するとよいでしょう。
まとめ
リフォームは、人生で何度も経験するものではありません。
資金計画を考える際、リフォームローンは有効な手段だといえます。
ただし、ローンはお金を借りるという行為ですから、
決められた期間でしっかりと返済をする必要があります。
くれぐれも無理な計画を立てず、ライフプランに沿った運用を心がけましょう。
リフォームをご計画の際は、リフォームローンという方法も選択肢に加え、
ぜひ理想のリフォームを実現してくださいね。