【お風呂・浴室リフォーム】ユニットバスと在来工法って何が違う?メリット・デメリットと、選び方をご紹介!
住宅用の浴室は大きく分けると、ユニットバスと在来浴室の2種類があります。
ご利用者様目線ではその違いはわかりにくいですがこの2種類は全くの別ものです。
一言でいうならば、ユニットバスは規格の決まった既製品、
在来浴室はこだわりを詰め込んだオーダーメイドの浴室といえます。
今回はユニットバスと在来浴室の違い、メリット・デメリットについてわかりやすくご紹介させていただきます。
目次
ユニットバスとは?メリット・デメリットをわかりやすくご紹介!
ユニットバスを一言でいうと
「工場で作られた天井、床、壁、浴槽などの各バーツを現場で組み立てる一体型の浴室」のことです。
現在は日本国内の浴室の約95%にユニットバスが採用されているといわれています。
メリット①工期の短縮化が期待できる
そもそもユニットバスが開発された一番の理由は浴室工事の「工期の短縮化」です。
ユニットバス開発以前の浴室は1か所を作るのに、
職人の工数がかかり家主や施工業者の両者にとっても頭痛の種でした。
ところがユニットバスが開発されると、
設置場所が確保できれば最短で1日でも設置することが可能になったのです。
これ以後ユニットバスは、浴室の工期の短縮化に大きく貢献することになります。
またユニットバスは撤去の際もそれ以前の浴室に比べると、非常に短期間で撤去できます。
撤去は各ジョイントを外すだけなので、はつり工事などの在来工法の解体業者も必要なく、
新規の取り付け業者が手際よく解体して撤去してくれます。
最短で半日から1日で撤去することも可能です。
メリット②断熱性と気密性が高い
現在ユニットバスの各メーカーは「断熱性」と「気密性」の向上を競って高めています。
どのユニットバスもこれまでの浴室の問題点であった、「浴室の暖気の逃げ」を最小限にまで抑えるように設計されています。
ユニットバスの壁周りには大事な暖気を逃がさないように断熱材をはりめぐらし、
湯気や湿気が逃げないようにパーツ同士の密着性も高めています。
またユニットバス自体が、「もう一つの密閉された空間」を住宅の部屋の中に実現しています。
いわゆる「二重構造」にすることで「断熱性」と「気密性」はより高められることになります。
メリット③設置空間があれば場所を選ばない
ユニットバスはこれまでの浴室のように、大がかりな下工事の必要が一切ありません。
「フラットな床(土間)」「ユニットバスを設置する空間(部屋)」「給排水の設備」「電気設備」があればどんな場所にでも設置できます。
ユニットバスはあくまでもユニット(規格化された部品)の集合体なので、
出来上がりの浴室が収まる空間さえあれば、場
所を選ばずにどんなところでも設置することができます。
デメリット①規格が決まっている
ユニットバスの大きな特徴でもあるのが「規格」です。
ユニットバスは浴室のサイズが「0.75坪」「1坪」「1.25坪」「1.5坪」の4つに決まっています。
また浴槽のサイズも10㎝単位で区切られており、
例えば浴槽が「1014サイズ」では100㎝×140㎝の浴槽ということになります。
このようにユニットバスは浴室や浴槽などの基本的な「寸法」は全て「規格」が決まっています。
そこで問題となってくるのが、ご利用者様が望むユニットバスと、
設置する部屋のサイズが合わないことです。
場合によってはお望みのユニットバスを自由に選べないこともあります。
デメリット②追加工事に適していない
ユニットバス自体そのものがすでに完成品です。
よって追加工事が適していません。
下手に穴を空けたりすると断熱性や気密性が一気に下がり、
穴を空けた場所から水漏れや他の部屋に湿気が広がることも考えられます。
ユニットバスはそれ自体が既製品であり、
追加工事、改造、カスタマイズが向かない浴室だといえます。
在来浴室とは?メリット・デメリットをわかりやすくご紹介!
在来浴室を一言でいうと「自由に設計ができて、自由にいろんな部材を使って施工できる浴室」といえます。
在来浴室は設計が自由なため、建築基準法などの各種法律に適合していれば、
あらゆる点に関して「制約」がありません。
ご利用者様のイメージ通りの浴室を造ることができます。
いわゆる「こだわりの」「おしゃれな」浴室が実現できるのです。
メリット①設計やデザインが自由自在
在来の浴室の一番のメリットは浴室自体を設計をする自由度があることです。
ユニークなアイディアを生かしたり、ご利用者様のユーザビリティ(使いやすさ)を徹底的に追及することもできます。
在来浴室であれば「規格」などを一切気にする必要がなく、
天井、壁、床、浴槽、設備など自由自在に選ぶことができ、ご利用者様のこだわりを具現化できます。
よって満足度が高い浴室を造ることができます。
メリット②追加工事、改造がやりやすい
どれほど素晴らしい浴室でも、長く使っていると不満箇所が発生してきます。
もし在来浴室であれば、完成後でも不満箇所のみを入れ替えて追加工事することもできます。
また浴室自体が問題が無く使えていても、どなたもやがて「飽き」がきてしまいます。
そんな時でも在来の浴室であれば、全体はそのままの状態で、
天井、壁周り、床、浴槽などをピンポイントで入れ換えることも可能です。
気分を変えたい時には簡単に模様替えもできます。
破損しても浴室全体を入れ替える必要がなく、
壊れた部分だけを入れ換えることができるので大きな出費も抑えることができます。
デメリット①コストが高くなる
在来の浴室はオリジナルであることから、
設計、材料、施工などをそれぞれ別々の業者が個別に行います。
よって様々な部分で作業に手間がかかり「ロス」が増えます。
またオリジナリティが高まるほど、建材や浴槽、備品、設備もバラバラのメーカーからそろえる必要があります。
場合によっては海外メーカーの特注品を取り寄せることもあります。
在来の浴室は、ユニットバスのように全てが一体化していないので、結果的に割高になることが予想されます。
デメリット②工期がかかる
在来浴室の大きなデメリットであるのが工期の長期化です。
在来浴室は施工が始まると下工事からする必要があり、
土工事、コンクリート打設、浴槽の取り付け、給排水工事、電気工事、タイル貼り、木工事、建具取り付けなどあらゆる工程が存在します。
工程ごとに別々の業種の業者が入るのが一般的であり、
各業種ごとに日数も割り当てられています。
その間は他の業種は作業ができないので、結果的に工期が長期化してしまうことになります。
デメリット③断熱性や気密性が低い
在来浴室の部材は個別には高い機能を有しています。
ところが部材はバラバラのメーカーから取り寄せるため一体性がなく、当然断熱性や気密性が下がることになります。
デメリット④カビが発生しやすい
在来浴室はタイルの目地などにシーリング剤を使っていることが多く、カビが繁殖しやすくなります。
またバラバラの部材を使っていることからも隙間が多く、その場所からもカビが発生しやすくなります。
デメリット⑤必ずしも理想通りとはいかない
いくらこだわりの浴室が作れるとはいえ、
使いたい部材・部品をすべて使用できるというわけではありません。
外国のおしゃれな浴槽やシャワーヘッド、タイルなど、夢は広がりますが、
こだわりが強ければ強いほど、
部材同士の相性や浴室の環境などによっては
使用したいものが使えない可能性もあります。
あなたはどちら派?浴室を選ぶポイントとは?
ユニットバスも在来浴室も、お互いにメリットとデメリットがあります。
こちらではポイント別にそれぞれの優位性をご紹介させていただきます。
〇最先端の機能で選ぶなら!
浴室選びで真っ先に思い浮かぶのが「最先端の機能」ではないでしょうか。
この分野はユニットバスも在来浴室もどちらも進んでいます。
ユニットバスの場合はどちらかというと「最先端の機能」も全体の中の一つということで
決して突出しておらずバランスを重視して搭載されています。
一方、在来浴室に関しては、バランスは一切考える必要がないので、
あらゆるものが取り付けることが可能です。
特にご利用者様にカスタマイズしたセレクトがしやすいです。
「最先端の機能」に関しては在来浴室の方が優勢のようです。
〇普段のお掃除の手間で選ぶなら!
浴室といえば、家の中でもトイレやキッチンなどと並んでお掃除が重要になってくる場所です。
ご家族が多かったり、1日に何回もお風呂をご利用されるご家庭では、お掃除の重要性はより高まります。
ではお掃除の手間では、どちらがおすすめでしょうか。
ユニットバスは浴室全体がまるごと一体化しており、
さらに水が関わる場所は全てFRPや繊維強化プラスチック系の素材で作られているので、
防水や水アカや汚れがつきにくい造りになっています。
それに対して在来浴室は、基本的に全ての部材がバラバラで統一感が無く、
汚れがつきやすい部材とそうでない部材が混在しています。
普段のお掃除の手間で選ぶならユニットバスの方がおすすめではないでしょうか。
〇施工コストで選ぶなら!
だれもがやりたい「お風呂・浴室リフォーム」ですが、
どなたも最も気になるのはやはりお金のことでしょう。
どちらが施工コストを低くできるのでしょうか。
一般的に同じサイズ、同じ設備の施工であれば、
ほぼ間違いなくユニットバスの方がお安く施工できます。
在来浴室の場合は、設置のための工数がユニットバスの数倍かかるので最低でもその分が割高になります。
〇どちらが長く使える?
壊れた時の修理や改修がしやすいのは圧倒的に在来浴室の方です。
ユニットバスは、全体が一体化している分、
一部でも不具合が出るとユニットバス全体を取り替える必要があります。
またユニットバスはメーカーでの部品の取り置きも期限があるので、期限が過ぎると修理ができません。
在来浴室の場合は元から全ての部品がバラバラに集めているので、
容易にその部品だけを入れ替えることができます。
またその部品が欠品でも、使われている部材や設備を丸ごと変えることができるので、
欠品の心配もする必要がありません。
不具合が出た場所のみを変えられ、本体はそのまま使えるという意味では在来浴室の方が長く使えるのではないでしょうか。
まとめ
今回はユニットバスと在来浴室の違い、メリット・デメリットについてご紹介させていただきました。
ユニットバスも在来浴室もどちらも優れたメリットのある浴室です。
浴室をお選びになる時には、その時の家族環境、年齢、収入など
様々な条件を考慮してご利用者様が最も望まれる浴室を造られることを一番におすすめします。