洗面ボウルが壊れた・ヒビが入った・詰まった…困ったトラブルの対処法

トラブルの多い洗面ボウル!対処法を知っておけば安心


洗面ボウルとは、洗面台の蛇口の下にある洗面器部分のことです。
毎日使う洗面台は、ひび割れや詰まりなどのトラブルが発生しやすい場所です。

この記事では、洗面台でよくあるトラブルの例と対処方法をご紹介します。
小さなトラブルの段階で早めに対処しておけば、大きなトラブルを防ぐことにつながりますよ。



洗面ボウルの素材別の特徴


まず、洗面ボウルに使われている素材についてまとめていきます。

陶器製


よく使用されている素材で、粘土などの素材に釉薬をつけて低温で焼き付けています。
光沢が美しく汚れがつきにくいことが利点ですが、硬い物を落とすなど衝撃で割れることがあります。

ホーロー製

金属性の素地にガラス質の釉薬を塗り、焼き付けた素材です。
汚れや臭いがつきにくい、湿気に強い点が水回りに適しています。

ただし、内部は金属ですが表面はガラス質なので衝撃でヒビが入りやすいというデメリットがあります。
また、表面のヒビや剥がれによって内部の金属が腐食することも。
防水性ホーロー補修剤で補修が可能なケースもありますよ。

人工大理石・樹脂製

大理石という名称ですが、実はアクリル樹脂やポリエステル樹脂でできています。
割れにくいし耐久性があり、成形しやすいのでバラエティに富んだデザインが可能です。

しかし細かい傷がつきやすく、たくさんの傷がつくとツヤが消えて、くすんで見えてしまいます。
また毛染め剤などで着色、変色しやすい点もデメリットです。





洗面ボウルのトラブルの具体例


では、洗面ボウルにはどのようなトラブルが多いのか見ていきましょう。

陶器製洗面ボウルに多いひび割れ


洗面台の周りにはいろんなアイテムを置けるようになっていることが多いですよね。
うっかりシェーバーやドライヤー、ボトル類などを落とした衝撃で、
洗面ボウルにひび割れが発生することがあります。

衝撃によるひび割れは、陶器製の洗面ボウルに多いトラブルです。
また、いきなり熱湯をかけたことで膨張して、その後ヒビが入ることがあります。
ヒートショックによるひび割れといって、洗面ボウルが冷えている冬場に多いトラブルです。

そのほかにも、経年劣化によるひび割れがあります。
一般的に洗面台の寿命は15年くらいです。
特に家族の人数が多い家庭などで頻繁に使用していると、劣化も早くなります。


水が流れない!排水のつまり

洗面ボウルの中央にあるヘアキャッチャーに汚れが付着して、
水の流れが悪くなることはけっこうありますよね。
ヘアキャッチャーには、石鹸カスや髪の毛など、いろんな汚れが溜まって詰まりの原因になります。

また、洗面ボウルの下の収納スペースにある排水管には、
S字型などに曲がっている部分がありますよね。

排水トラップといって、あえてカーブした部分を作ることで水が溜まるようにしておいて、
下水の臭いや害虫が上がってくることを防ぐ役割があります。

ただ、排水パイプの曲がっている部分には当然、ゴミが溜まりやすいです。
長年の使用によるゴミの蓄積や、綿棒やヘアピンなどの落下物の詰まりなどがあり得ます。
排水トラップのつまりのせいで、ナット部分から水漏れするといったトラブルもあるんです。


壁や床まで傷めることが多い水漏れ

どこから水が漏れているのか、わかりづらいこともしばしばです。
蛇口からの水漏れ、シャワーホース部分の亀裂や穴、給排水設備のパーツの劣化による水漏れなどがあります。


下水の臭いが気になる!悪臭

悪臭は不快で気になるトラブルですね。

洗面ボウルから、床や壁につながる排水管の接続部分には、防臭パッキンが取り付けられています。
防臭パッキンの劣化によって、下水の臭いが漏れてくることがあるんです。

また、排水ホースやパイプに傷がついている場合には、水漏れだけでなく悪臭の原因にもなります。


ほかにも、悪臭の原因になりうるのが排水トラップの封水です。
上述したS字の排水トラップには、封水といって、下水の臭いや害獣の侵入を防ぐ役割の水が溜まっています。
しかし、長時間洗面を使用していないと、封水が蒸発してしまい、下水の臭いが上がってきてしまうのです。
長期間の旅行に行っていた場合や、入居者が長らくいなかった家・部屋に発生しがちです。


洗面ボウルのトラブルの対処を間違えるとあとが大変!


洗面ボウルにトラブルが見つかると、すぐに対処しがちですが、
誤った対処は後々大きなトラブルに繋がることがあるので注意が必要です。

ひとまずの応急処置はどうする?


ひび割れをテープで防ぐ、パイプなどの傷をテープで防ぐことは、
あくまで緊急の処置と考えて置いてください。
洗面ボウルの小さいヒビを瞬間接着剤で塞いでからサンドペーパーで磨くと、目立ちにくくなりますが、
とりあえずの処置であって、絶対大丈夫とは言えないものです。


洗面台のひび割れを放置するとどうなるのか


洗面ボウルのカケやヒビは、最初は小さくても後からどんどん拡大することがあります。
そのまま放置していると、ひび割れ部分に汚れが溜まり、カビが発生することもあるんですよ。

また時間が経つと、洗面台の下に水漏れが起こることも十分あり得ます。
収納スペースの扉を開けないことも多いから、意外に気付きにくいトラブルです。


さらに時間が経つと、床が腐ったり、収納スペース内にカビが生えたりすることもあります。
深刻なケースでは、排水管が錆びたり、
マンションなどでは階下に水漏れが起こったりするほどのトラブルにもつながり得ます。

早めに対応したいですね。

【トラブル別】とるべき対処法!


それでは、各トラブル別に、やるべき対処を説明します。

ひび割れが発生したら洗面ボウルを交換する


軽度のひび割れなら、ホームセンターで販売している補修材や塗料で応急処置をしておきましょう。
ひび割れの拡大を防ぐことができます。

ただ洗面ボウルに発生したときは小さなヒビでも、あとで拡大することがあります。
ヒビ割れした洗面ボウルは修復が難しく、まるごと交換が必要になるのが基本です。
洗面ボウルだけの交換は難しいケースもあり、その場合はカウンター部分とセットで交換になってしまいます。

詰まり解消には掃除

ヘアキャッチャーには汚れが付着しやすいので、
汚れてきたなと感じたら、使い古しの歯ブラシなどで掃除しましょう。

また排水トラップの詰まりには、パイプ洗浄液を使うと楽に掃除できます。

それでも詰まりが解消されない場合は、排水トラップを分解してゴミをかき出すことになります。
ただし、金属製の排水トラップの場合は業者に依頼するほうがおすすめです。


水漏れには修理やパーツ交換


どこから水漏れしているかチェックして、専門業者に修理を依頼しましょう。
内部のパーツが劣化していることが原因になっている場合、パーツを交換してもらいます。


業者が行ってくれる処置としては、
蛇口内部のカートリッジやパッキンの交換、シャワーホースや蛇口の交換、
給水管の接続部分についているパッキンの交換などがあります。


劣化したパーツの交換で悪臭防止


防臭パッキンが劣化している場合は業者に交換してもらいましょう。
また傷のある排水パイプやホースも交換が必要になります。


排水トラップの封水が蒸発しているだけなら、
しばらく緩めに水を流すことで、また封水ができて防臭になりますよ。





今後のトラブル防止のための注意点

できることならば洗面ボウルを壊すことなく、
長期間安心&快適に使いたいものですよね。

洗面ボウルのトラブルを避けるためにできることをまとめてみました。

強い衝撃を防いでひび割れ防止


洗面ボウルは衝撃に弱いものです。
そもそも、洗面台付近にガラス瓶などの硬いものを置かないほうが無難です。
また陶器製の洗面ボウルでは、ヒートショックによる割れを防ぐためにも、
適温のお湯を使用する、最初にすこし水をためてからお湯を注ぐなどの工夫をしましょう。

汚れの定着を防ぐには掃除

ヘアキャッチャーの掃除を週1回くらい行うと清潔に使えます。
また排水口部分に、ゴミ取りシートを追加してもいいでしょう。
さらに月に1回くらいはパイプ洗浄液を使用するといいですね。

収納スペースも清潔に


水漏れは気づかないうちに進行していることがあります。
洗面台下の収納スペースなどを掃除するタイミングでチェックしておくことがオススメです。

点検しやすいように、収納スペースにあまり物を置きすぎないことも大切です。
特に、先端が尖った物を置くと、ふとした瞬間に排水パイプを傷つける恐れがありますよ。


収納スペース内の湿気を防ぐように除湿剤などを置くのもオススメです。



まとめ


洗面台は使用頻度が高い場所なので、汚れや傷がつきやすい場所です。
特に、ひび割れが発生していると大きなトラブルにつながることがあります。
たとえ細かいヒビでも放置せずに対処しましょう。


予防策として、普段から傷をつけない、汚れを溜めない工夫は必要です。
そのためには掃除と定期的な点検がキモです。
いつでもきれいな洗面台を使えるようにしましょう。