【前編】もしもの時の水害に備えてできること
目次
台風やゲリラ豪雨はまたやってくる!水害への備えをしよう
近年、異常気象のためもあって、大型の台風などによる被害が深刻になっていますね。
もともと日本は河川が多く、
梅雨や台風など短期間に多くの雨が降ると水害にあいやすい地形や気象条件をしています。
洪水や浸水などの水害に遭うことは、他人事ではありません。
今後も発生するだろう巨大台風や、ゲリラ豪雨への備えを考えてみましょう。
備えあれば憂いなし!普段からできること
まず、もしもの水害に備えてできることを整理しておきます。
まずは防災グッズをそろえよう!
防災グッズの用意は欠かせませんよね。
水害だけでなく、地震への備えにもなります。
以下のアイテムを家族の人数分、少なくとも3日分を用意しておきましょう。
7日分を用意できると安心です。
*印は幼児がいるケースに必要なアイテムです。
・防災リュック
軽くて丈夫、背負いやすいリュックが便利です。
貴重品や細々としたアイテムを入れるためのポーチやポシェットがあると、なおいいですね。
・保存水/非常食/*スティックタイプの粉ミルクや液体ミルク・離乳食など
・ウェットティッシュ(赤ちゃんのおしりふきでも可)/マスク(風邪の予防など)
・懐中電灯
・ブランケット/使い捨てのカイロ
・ホイッスル(防犯・救助を求めるときに使える)
・下着(女性にはブラつきインナーが便利)
・簡易トイレ(1名につき1日5回分。防臭袋もあるほうがいい)
・タオル/生理用品/*おむつ
・常備薬/お薬手帳/絆創膏など
・モバイルバッテリー/乾電池/ラジオ
・カセットコンロ/カセットボンベ
・現金(小銭も用意)
・通帳や印鑑などの貴重品
・身分証明書
避難時に役立つかもしれないアイテムとして、以下もある方がいいでしょう。
・レインコート
傘は暴風で壊れる可能性があるので、防災グッズに入れておくといいですね。
できたらセパレートタイプの方が濡れにくく動きやすいので、おすすめです。
・脱出ハンマー
避難時に自動車を使う人もいるでしょう。
車で逃げている最中、水かさが増して車のドアの高さより高いところまで水がくる時があります。
水圧は私たちが想像しているより強く、大人でも内側からドアが開けられないこともあるのです。
大量の水のせいでドアを開けられなくなった場合に、
窓を割って脱出するためにハンマーが効果的に使えます。
あらかじめ車内に用意しておきましょう。
食料品や飲料水、衛生用品などは多めに買っておいて、
普段の生活の中で使っていきましょう。
足りなくなってきたらまた買い足すようにサイクルを作っておけば、
期限切れになりにくく、無駄なく備蓄できます。
普段から食べ慣れた味や使い慣れたアイテムなら、
非常時にも落ち着いて使用できますよ。
日常のなかに災害への備えを組みこんでおけば、自然と習慣になります。
普段から防災情報をチェックしよう
防災情報を日ごろからチェックしておいたり、
地域の防災訓練に参加したりすることも大切です。
防災セミナーに参加すると、最近の災害の特徴や防災のための情報を学べます。
また、ハザードマップを入手して、
お住まいのエリアが水害の影響が大きい地域かどうか、事前に把握しておきましょう。
洪水だけでなく、土砂災害の恐れなども、知っておきたいですね。
防災アプリをスマホに導入しておけば、
防災に役立つアイデアを手軽に得ることができますよ。
そして、万が一のときの安否確認のために、家族との連絡方法を決めておきましょう。
WEBや電話を使った災害用伝言サービスが提供されています。
実は、年に数回、体験利用できる期間があるんですよ。
いちど予行演習しておくと、緊急時にも落ち着いて利用できます。
普段の暮らしのなかで防災に関する情報を得ておくと、いざというときの判断に役立ちます。
また、おすすめなのが家族それぞれの
氏名、住所、血液型、誕生日、緊急連絡先、家族の集合写真を載せたカードを作っておくことです。
特に、状況をうまく説明できないお子さんなどは、身元不明で保護者と出会えないケースがあります。
保護されたときスムーズに連絡先が判明するよう、カードにしたもの作っておきましょう。
透明の保護ケースに入れて、すぐに使える小銭をいくらか入れておくのもおすすめです。
台風が発生!接近までにすべきことと注意点
今後の台風の進路や上陸の可能性など、気象情報に注意しておきましょう。
海辺に住んでいる場合、高波や高潮に備えて、満潮時刻も確認しておきます。
大雨や強風になる前に、自宅内外の備えを行うようにしましょう。
浸水への対策!室内の対策も忘れずに!
排水溝が詰まっていると、雨水があふれることがあります。
周辺の排水溝を掃除して、水の流れをよくしておきましょう。
住宅内部への浸水被害は、深刻なダメージをもたらします。
外部からの浸水防止のためには、土嚢や止水板を玄関に置いておきましょう。
家庭用に使いやすい商品もありますよ。
土嚢がない場合もあるでしょう。
そういった場合には、段ボール箱とゴミ袋があれば、代用できます。
40~45リットルのゴミ袋に水を半分くらい入れて、
空気を抜いてから口をきつくしばって水嚢にしましょう。
水を入れすぎると重くなって持ち運ぶのが大変なので、
小さめの水嚢をたくさん作るほうが楽に動かせます。
水嚢を段ボールに詰めることで、安定して置くことができます。
土嚢や止水板のように玄関に置けば、浸水を防ぐことができますよ。
意外に忘れやすいのが、家の中の水回りでの水の逆流です。
大雨によって水位が急に増えて、排水管のなかの水が逆流し、
トイレやふろ場の排水口から汚水があふれることがあります。
便器内部や、ふろ場や洗濯機の排水口に水嚢を置いておくと、逆流を防ぐことができます。
排水口の上にレジャーシートを敷き、重しを置いて代用するのもおすすめです。
床下収納がある家の場合、床下が浸水することで、
床下収納の蓋から水が漏れだすことがあります。
段ボール箱に水嚢を入れて置いておけば、浸水を軽減できます。
大事な家財は、できるだけ高い位置へ移動させておきましょう。
2階以上の部屋に移動させたり、
同じ階でも高い棚の上に置いたりすることで、水に濡れることを防げます。
可能なら、自動車も水に濡れにくい高い場所に移動させるか、
エンジン部分の浸水を避けるようにしておきましょう。
窓ガラスが割れて怪我をすることもある!暴風雨への対策
風で飛ばされる恐れがあるものは固定するか、室内に格納するかして、片付けましょう。
ベランダに置いてある植木鉢や椅子、物干し竿なども片付けておきます。
強い暴風雨で窓が割れると、ガラスが飛散して、怪我をしそうですよね。
強風で飛来物があたって、窓が割れることもあります。
窓や雨戸に異常がないか点検しておきましょう。
また窓ガラスの飛散防止フィルムや養生テープを使って、補強しておくことがおすすめです。
もし手に入らない場合は、カーテンを引いたり、ブラインドを下ろしたりしましょう。
大きい段ボールを窓に立てかけて代用することもできます。
自宅内にあるものを活用して、できるだけダメージを防ぐようにしておきましょう。
窓ガラスが割れたときに備えて、スリッパや靴を用意しておくこともおすすめです。
避難することを想定しておこう
避難場所や避難経路をあらためて確認しておきましょう。
大雨のときに、いつもの道を容易に通れるとは限りません。
できたら複数の経路を確認して、実際に歩いておくことがおすすめです。
非常持ち出し袋の中身を確認して、足りないものがあれば早めに買い足しておきます。
備蓄のすべてを持っていくことはできないので、
できるだけコンパクトな量を持ち出し用としてまとめて、準備しておくといいでしょう。
災害時には断水することもあるので、浴槽に水をはって生活用水を確保しておきます。
スマホやパソコンなど必要なデバイスも、充電しておきます。
早め早めに準備しておくことが、安心につながります。
まとめ
日本では台風や豪雨は毎年、発生しています。
昔に比べて短い時間に多くの雨が降ることも指摘されています。もはや水害は身近な災害なのです。
甘く考えずにできるだけの備えをしておくことで、
水害の被害を防ぎ、ダメージを軽減することができます。
普段からの情報収集と、必要な物資の備蓄を心がけるようにしましょう。
準備しておくことで、あまり慌てずに対処できます。
後編では、台風が上陸・接近したときの過ごし方や、
水害に遭った後の対応などをご紹介します。