気持ち悪〜い!水回りによくいる害虫・害獣の種類と対策

害虫や害獣は、招かれざる客で、日頃あまり考えたくないものです。

しかし、私たちは暮らしの中で害虫や害獣にしばしば遭遇してしまいます。
例えば、お気に入りの服をクローゼットから出したら虫に食われて穴が開いていた、
あるいは、ベランダのゴミをカラスに荒らされたなどの経験はありませんか?

今回は、水回りの害虫や害獣についての知識と対策をご説明します。
被害に遭わないように、また害虫や害獣が寄ってこないようにするにはどうすればよいか、
この機会に思い切って学んでみましょう。

要注意!水回りが好きな害虫・害獣5選

考えただけでぞっとしてしまう害虫・害獣ですが、
家の水回りでよく見かけるものにはどんな種類があるのでしょうか。

①ゴキブリ

害虫の代表格といえば、ゴキブリです。
中でも最も大型のチャバネゴキブリは「日本の侵略的外来種ワースト100」にも選ばれています。

ゴキブリは直感的に不快感を与えるほか、
食べ物を食い荒らす食害や、病原菌などを運ぶという被害をもたらします。

また体質によってはアレルギーの原因となることもあり、出会いたくない害虫No.1ではないでしょうか。

ゴキブリを寄せ付けないためには、何よりも整理・整頓を心がけ、家を清潔に保つことです。

食品は開けたままなどにせず、生ゴミはできる限り早く処理をしましょう。
ゴキブリは水を好むため、水滴はこまめにふき取ることも大切です。
洗い終えた食器などは、布巾で水分をしっかりと取り除くようにします。

運悪く出会ってしまったら、殺虫剤を使って対処します。
ゴキブリ用殺虫スプレーには、ゴキブリが嫌う成分が含まれているため、
一度ゴキブリが発生した場所にはあらかじめスプレーしておくのも効果的です。

燻煙剤を使って退治する方法もあります。
この場合は、金魚や熱帯魚なども外に避難させ、
食器戸棚などはテープで養生する必要があります。

ほかには、トラップを仕掛けて通ったゴキブリを捕らえる方法、
殺虫性のある餌を食べさせる方法もあります。
これはゴキブリの通るルートの確認などにも有効な方法です。

ただし、ゴキブリは根絶が難しい害虫です。
これらの方法を試しても改善しないようであれば、
害虫駆除の専門業者に相談することをおすすめします。

②チョウバエ

チョウバエとは、風呂場やトイレなどで見かける小さなハエで、
ハート形を逆さにしたような形をしています。
色は黒っぽく、せわしなく飛ぶため不快に感じる人が多い害虫です。

ガラス窓や壁にとまる習性があるため、見たことがある方も多いのではないでしょうか。
被害としては、まず不快であること、そして細菌などを運ぶ可能性があります。

体長が1mmから4mmと小さなハエのため、どこからともなく現れるやっかいものです。

チョウバエは排水溝などの汚れと水があるところを好みます。
そのためキッチンの排水溝周りやトイレ、お風呂などでよく発生します。

屋内で発生することが、チョウバエの大きな特徴です。
また排水溝の中などで繁殖を繰り返すため、成虫と幼虫の双方への対策が重要です。

まず幼虫の発生原因となる排水溝のヌメリなどの汚れを取り除きます。
排水溝のフタや三角コーナーの裏側、浴槽の底面などを掃除し、清潔に保ちましょう。

その上で、コバエの幼虫駆除剤を散布します。
ただし、このときチョウバエの幼虫がいるポイントに散布する必要があるため、
発生源であろうポイントは、ある程度目星をつけておくとよいでしょう。

成虫への対処としては、まず侵入させないことです。
そのため、排気口などに網を張るなどの方法が効果的です。
網戸のない窓やドアを開けっ放しにすることも控えましょう。

浄化槽などの密閉空間では、蒸散タイプの殺虫プレートを釣り下げておきます。
室内ではハエトリシートや、光に集まる習性を利用するライトトラップなどもよいでしょう。

チョウバエは低い高さで飛ぶため、設置するときには動線の邪魔にならない場所を選びます。

③ユスリカ

ユスリカは、蚊によく似た、夕暮れ時に柱のように飛び回る虫です。
ただ蚊のように血を吸うことはありませんので、
直接的な害は比較的少ないといえるでしょう。

しかし、光に集まるため飲食店などでは営業の妨げになるほか、
死骸が大量に落ち不衛生ということが挙げられます。

またユスリカの死骸が細かく飛散するとアレルギーの原因になることもあり、
駆除や対処の必要な害虫です。

発生源であるユスリカの幼虫は水辺に生息しています。
バケツやプランターの底などに溜まった水からユスリカや蚊がわくこともありますので、
水や泥はこまめに捨てるようにしましょう。

ユスリカの成虫は、夜になると光に集まります。
街灯の周りをよく飛び回ってる小さな虫のひとつがユスリカです。
玄関や門扉の照明は、紫外線を出さない防虫ランプに切り替えることをおすすめします。
切り替えが難しい場合は、紫外線を遮断できるカバーも市販されていますので、
これを利用するのも効果的です。

④ムカデ

ムカデは視覚的に不快なだけでなく、
毒を持ち、刺すこともある非常に有害な害虫です。
ハチに似た毒を持つムカデもいますので、万が一刺された場合は念のため病院へいきましょう。

通常、ムカデは土の中で生活をしています。
そのため発生源を特定することは難しく、室内に侵入させないことが重要です。
ムカデは水回りだけに生息するわけではありませんが、
エサを求めて壁づたいに屋内に入ってくることがあります。

ムカデを室内に入れないためには、
あらかじめ家の外周にムカデが嫌う薬剤をまいておきます。
外壁に沿って、帯状にまんべんなくまくことで、
ムカデの駆除と侵入を防ぐダブルの効果が期待できます。

薬剤は粉タイプや粒タイプのものが主流です。
ただし、雨が降ると流されてしまうため、壁際に沿ってまいたり、
定期的に散布するなどするとよいでしょう。

集合住宅などで、粉や粒状の薬剤を使いにくいときは、スプレータイプの薬剤があります。
玄関のドアの隙間などにあらかじめ吹き付けておくだけでも、
ムカデを寄せ付けない効果を発揮するのでおすすめです。

屋内でムカデを見つけたら、殺虫スプレーで対処します。
スプレーを吹き付けた直後は、ムカデが暴れる可能性があるため、
動かなくなるまで近づかないようにします。
くれぐれも刺されないようにご注意くださいね。

⑤ネズミ

ネズミには固いものをかじる習性があり、
建材や家具、電気や電話の配線などにもその被害が及びます。

また、ダニや病原菌などを媒介するため、
二次被害にも気を付けたい危険な害獣といえます。

ネズミを寄せ付けないためには、まずエサになるものを放置しないことです。
キッチンは清潔に保ち、生ゴミはこまめに処理しましょう。

ネズミの侵入を防止するためには、金網やねずみ返しなどで配管などの侵入経路を断ちます。
新聞紙や段ボール、布などはネズミの巣となりやすいため、放置しないよう注意しましょう。

もしネズミがいることがわかったら、
粘着式ネズミ捕りや、殺鼠剤などの薬剤を用いて駆除します。
粘着シートタイプのネズミ捕りは、捕獲後の回収や処分が簡単なためおすすめです。

害虫・害獣が水回りを好む理由とは?

では、なぜ害虫や害獣は水回りを好むのでしょうか?

蒸気などにより温かい


害虫や害獣の種類によっては、温かいところでしか繁殖できないものもいます。
またネズミなどは温かいお風呂の屋根裏などに巣を作ることもあります。
一年を通して温かい水回りは、害虫や害獣により気を付けたい場所だといえるでしょう。

エサになるものが多い


キッチンなどは水と食べ物の両方があるため、
害虫や害獣にとってはすみやすい場所です。

特に水はすべての生き物にとって命の源。
水滴の飛びやすい壁周りも気を付けたいポイントです。

また、お風呂場には髪の毛や垢といった汚れがたまりがちですが、
これらのゴミ・汚れはタンパク質でできています。
ゴキブリなどの害虫にとっては、髪の毛でも食べ物になるのです。
こまめな掃除が大切な理由はこういったところにもあります。

食べ残しや生ゴミも害虫や害獣を呼び寄せるもとになってしまいます。
こまめに処理をし、決して放置することがないようにしたいですね。

害虫・害獣を見つけたときの対処方法

まずは駆除を

残念ながら害虫や害獣に家の中で出会ってしまったら、
殺虫スプレーなどで対処します。

市販の殺虫スプレーは多くの種類の虫に対応できるものもあるため、
常に1本常備しておくとよいでしょう。

また、スプレーの噴射ノズルを延長できるものもあります。
ムカデなど刺す恐れがある虫に対しては離れた場所から対処します。

プロに依頼する

危険な害虫や害獣、また市販の薬剤などで対処しても改善しない場合は、
プロの害虫駆除業者に依頼するとよいでしょう。

特にペットがいる場合には、薬剤の散布方法も注意した方がいいこともあります。
被害が拡大する前に、早めに相談することをおすすめします。

害虫・害獣が近づかないようにする

害虫や害獣を駆除したら、今後家に近づいてこられないような忌避(きひ)対策が重要です。

ここでも活躍するのが殺虫スプレーです。
殺虫スプレーには、害虫などが嫌う成分が含まれています。
そのため、あらかじめ侵入経路にスプレーを散布しておくことで、
害虫が室内に入り込むのを防ぐ効果があります。
これは簡単にできる対策で、非常におすすめです。

ベランダや庭先などの不要なものを片づけたり、
溜まった水を捨てるのも効果的です。
害虫や害獣が近寄りにくくするほか、繁殖を防ぐのにも有効な対処方法です。

気を付けたい!危険な特定外来生物

水回りだけに限りませんが、毒性のある特定外来生物についても知っておきましょう。
特に最近は各地で確認事例が増えてきていますので、注意が必要です。
なお、見つけたときは必ず自治体に連絡をするようにしましょう。

ヒアリ


10月に東京でも発見されたヒアリは、全国14の都道府県で確認されています。
特定外来種のヒアリは毒性が強く、刺されると激しく強い痛みを引き起こします。
体長2~6mmで体色は赤褐色ですが、腹部だけが黒っぽい色をしているのが特徴です。

万が一刺された場合は安静にし、病院を受診し、
アリに刺された可能性があることをしっかりと伝える必要があります。

セアカゴケグモ


体長10mm前後で、丸く、背中に赤い模様があるため、比較的わかりやすいです。
国内ではなんと42の都道府県で確認されており、
日本に住みついている可能性もあるといわれています。

毒性を持ち、咬まれると激しい痛みを感じた後に腫れ、
発汗や発熱などが現れることがあります。
この場合は速やかに救急車を呼ぶようにしてください。

まとめ

水回りの害虫や害獣は、極力出会いたくない存在です。
しかし私たちが生活する上でも、すべての生き物にとっても水は大切なもの。
そこに生き物が集まってくるのは、ある意味で自然の摂理といえるのかもしれません。

室内を清潔に保ち、適切な予防をすることで
害虫や害獣の被害もある程度は軽減できることがおわかりいただけたでしょうか。
ときにはプロにお任せしながら、快適な空間を実現したいですね。