漏水調査は面白い!

漏水調査は宝探し!?

今回はこの前行った工事からの記事です。
あるお客様(何度もお仕事をいただいている方)からののご依頼で、漏水の調査、修理をすることになりました。

基本的に福田設備では全く初めてのお客様からの漏水調査はお受けしていません。

なぜかと言うと、手間暇をかけても漏水が見つかるかどうかわからないことや、
調査を進める上でお互いの理解ができていないとやりづらかったりするためです。

今回はいつも頼ってくださる方のために漏水箇所を探し当て、安心して生活していただきたく頑張りました。

まずは調査開始。

やり方は様々ですが、今回はこんな道具を使って漏水箇所を探していきます。

わかりにくいですが、この壁に立てかけているラッパのような銀色の棒で探します。

給水管や給水管に接続されている水栓などに尖った先端を当てて、
ラッパ部分に耳を当て漏水している箇所の音を拾い、場所を特定していくという方法です。

もちろん給水管は土の中やコンクリートを敷きつめた下に潜っているので、
解体したり穴を掘って給水管を見つけそこに当てないといけません。

まずは見える場所や掘らない場所でこの棒を当てられるところを探して調査します。

簡単に給水管が見えるところとして、水道メーターや外に設置されている散水栓などから当てて、
音の大きさや種類から想像して場所を特定していきます。

ここが難しいのですがあくまで想像で進めなくてはいけません。
配管のルートや使っている材質・施工した業者の癖や新築した時の年代や地域など色々な条件を加味して想像し、進めていきます。

水道の神様

いつも先輩とこの調査を行うのですが、他の業者に100万かかると言われたり、不可能と言われた調査をなんども依頼され、直してきました。

運がいい時、感が冴えているときはわずかな時間(1時間程度)で直ってしまう場合もあります。
僕らはいつもそんなとき必ず言うセリフがあったりします。

『今日は水道の神様がおりてきた・・・・・・』

それくらい奇跡的なこともあります。
知らない人から見ればちょっと穴を掘って配管を少しやり直しただけですが、
地中に埋まっている見えない水道管を見つけるのに30センチ平方メートルくらいの小さな穴を掘って当てるだけでも難しいのに、
それがぴったり漏水場所に当たるのは本当に難しいです。

今回は残念ながら水道の神様がおりてこず、1日かかってようやく探し当てました。


電気がないのでハツリ解体のための発電機を投入!


ルートを想像してできるだけ小さく解体・掘削


こんな狭い家の脇も掘り返して調査。

水道メーターから離れた場所から掘ってその先を止水。
メーターから止水した間で漏水がないかを水道メーターのコマを見てチェック。
漏れているようならまたその半分ぐらいの場所で止水してコマを見て漏水チェック。

解体して掘っては止水、チェックして配管して繋ぎ直して通水して埋め戻し・・・
これを数回繰り返しなんとか見つけました。

スコップを入れて掘って先端がわずかに濡れて泥がネタネタしていたので
「ここか!!」と掘り進めていくうちに底の方から水が湧いてきました。

掘り進め、配管の漏水部分が特定できたので、水を止めて配管し直します。
実際の修理の工事はわずか15分・・・
これのために一日かかりました。

悪さをしていたのはこいつです!!

VP管と呼ばれる管の種類です。
今ではあまり給水管としては使いません。黒いHIVP管と呼ばれる耐震管が一般的です。

わかりにくいですがこの分岐している細い方の枝の部分に亀裂が入っています。

横に20φ、縦に13φという口径の接ぎ手ですが、
おそらく細い方に何かしらの負荷(おそらく木の根っこなど)がかかり、亀裂が入ったのだと思います。

チーズと呼ばれる部材ですが、この異形のチーズはよく悪さをします。
また、平成元年ごろのこの手のVP管は
漏水調査するとよく漏水の原因になっていることが多いので、何かあるのかもしれません。

修理箇所の配管も終わって、通水していつもどうり使えるようになりお客様も喜んでくださいました。

仕事を楽しむ大切さ

終われば「宝探し的に楽しかった!」
と思えるのですが、依頼された時は探し当てることができるか不安なのです。
一応水道屋としてやっている以上、できませんでした、わかりませんでしたというのは言いたくありません。

どんなに、難しい工事も終わってから「 楽勝だな」 なんてふざけて言いながらなんとかこれまでやってきました。

これからもお客様のお役に立てるように知識を増やし、腕を磨かなくてはいけないと思いました^^