水栓の温度調整ができない?サーモスタットのメンテナンスや修理を試してみよう!
シャワーを浴びていて、「水温が安定しない」というお悩みをお持ちの方。
その原因は「サーモスタット」にあるかもしれません。
・熱いシャワーを浴びたいのに、ぬるいまま…
・急に水温が冷たくなった
・シャワーを浴びている最中に、熱くなったり冷たくなったりする
そういった不調が出ている方は、ぜひ本記事を参考にしてみてください。
シャワーの温度調節に欠かせない「サーモスタット」の機能や仕組み、
症状から考えられる不調の原因、
自分で修理・メンテナンスをする方法をご紹介しております。
目次
サーモスタットとは?
冒頭で紹介した「サーモスタット」という言葉ですが、
あまり聞き慣れない人も多いのではないでしょうか。
まずは、サーモスタットの役割や仕組みについてご紹介いたします。
サーモスタットとは、「温度調節の役割」を担う部品のことです。
水道だけでなく車のエンジンなどにもサーモスタットは使われており、
エンジンの温度調節の役割を果たしています。
温度調節を行う仕組みは簡単です。
水栓のサーモスタットは、
お湯の量と水の量の割合を変えることで水温を調節します。
水栓本体のお湯と水の交わる場所に、サーモスタットが門のように組み込まれています。
水栓の温度調節ハンドルを操作することで、
サーモスタットの位置を調節し、お湯と水の流量を操作することができるのです。
サーモスタット式水栓について
「サーモスタット式水栓」は、主にお風呂場で使用されています。
主な特徴としては、温度調節ハンドルと吐水・止水のハンドルが分かれていることです。
そのため水温の調整が簡単で、温度も安定しています。
<画像:KVK様よりお借りしました>
温度調整がうまくいかないケース
温度調整がうまくいかないケースとして、以下のようなことが挙げられます。
- 温度調節ハンドルをH側(お湯側)に回しても、水温が高くならない
- 温度調節ハンドルをC側(水側)に回しても、水温が低くならない
- 温度調節ハンドルを回しても、水温が変化しない
- シャワー使用中に、急に水温が変わる
これらのケースは、温度調節を担うサーモスタットの故障や異常が原因の可能性が考えられます。
温度調整ができなくなる原因はサーモスタットにある?
サーモスタットの故障や異常により温度調整ができないことも考えられますが、
サーモスタット以外に原因があるケースもあります。
サーモスタットの修理・交換を考える前に以下のケースを確認してみましょう。
・お湯の温度が上がらない ⇒ 給湯器の温度設定の確認
・温度調節ハンドルと実際の水温が違う ⇒ 温度調節ハンドルのズレ
・急に水温が変化する ⇒ 他の家族の方が水栓を使用していないか?
サーモスタット以外に原因があるケース①:お湯の温度が上がらない
「お湯の温度が上がらない」
という場合は、給湯器の温度設定を確認してみましょう。
サーモスタット式水栓はお湯と水を混合して排出するので、
例えば40℃のお湯を出したいときは、
給湯器の温度設定は40℃より高い50〜60℃に設定する必要があります。
また、冬場は給湯器の処理能力が落ちるため、
夏場に比べると「お湯の温度がなかなか上がらない…」と疑問に思うかもしれません。
いずれの場合も、給湯器の温度設定を上げることで、
お湯の温度が上がるようであれば故障ではありません。
サーモスタット以外に原因があるケース②:温度調節ハンドルと実際の水温が違う
温度調節ハンドルの設定と、実際に出てくるお湯の温度に違いある場合、
温度調節ハンドルのズレの可能性も考えられます。
これは、各家庭の給湯器や給水設備の違いによって、
水圧や水量が変わるためにズレが生じてしまったケースです。
確認方法としては、温度調節ハンドルをH側、C側に動かしてみて、
水温の変化があるようなら、サーモスタットには問題ありません。
温度調節ハンドルは、取り外して位置を調節することができます。
手順は以下の通りです。
・蛇口の下部にある止水栓を左右ともに閉める
・温度調節ハンドルを握って、引き抜く
(固いので、勢いで手や壁などを傷つけないよう気をつけてください)
※ビスで固定されているタイプのハンドルは、ハンドルの側面にキャップがついているので、
キャップを外したのち中にあるビスを外してください。
・ハンドルを位置を調整し、逆の手順で元どおりの状態に戻す
サーモスタット以外に原因があるケース③:急に水温が変化する
シャワーを浴びている途中で、急に流量が減ったり、水温が下がったりしているとき。
他の家族の方が台所やトイレを使用していませんか?
複数の場所で同時に水道を利用すると、
水圧の変化により、水量や水温が変わってしまいます。
一時的な水温の上下かもしれませんので、
しばらく様子をみてみましょう。
サーモスタットに不調が生じた際にやるべきこと
上記のケースを確認した上で、サーモスタットに原因があると考えられる場合は、
修理・メンテナンスが必要になります。
専門の業者に依頼することで不調は解消されると思います。
しかし、修理代は見積もりを受けるまでは不明確で、
場合によっては本体ごとの交換となり、思わぬ出費に繋がる場合があります。
「できるだけ出費を抑えたい」
「まずはサーモスタットだけを変えて様子をみたい」
と考えていて、修理・メンテナンスに自信がある方は、
ご自分で挑戦してみるのもいいかもしれません。
サーモスタットは、ゴミを噛み込んでいたり、
動きを滑らかにするためのグリスが切れて正常に動かないことが考えられます。
そのため、ゴミを取り除いたり、グリスを塗布することで不調を解消することができます。
また、サーモスタットは2,500~5,000円ほどで販売されています。
水栓本体に型式が表記されたシールが貼られていますので、
型式を確認して適応したサーモスタットを確認することができます。
いずれにしても、ご自身で修理・交換をしようと思ったら、
サーモスタットを取り外す必要がありますので、サーモスタットの取り外し方についてご紹介いたします。
サーモスタットの取り外し方①:止水栓を閉める
サーモスタットの取り外しの前に、まずは止水栓を閉めましょう。
止水栓を閉めることで、蛇口への水の流れを止めることができます。
止水栓は、蛇口本体にあり壁付のアーム部分に付いていることが多いです。
マイナスドライバーを用いて、右に回すことで閉めることができます。
サーモスタットの取り外し方②:温度調節ハンドルを引き抜く
止水栓を閉めたら、温度調節ハンドルを引き抜きます。
温度調節ハンドルは、ビスで止まっているタイプのものと、
差し込んでいるだけのタイプのものと種類があります。
また引き抜く際は、勢い余って手を壁などにぶつけないように気をつけてください。
サーモスタットの取り外し方③:表示リンクを外す
温度調節ハンドルと「H|C」の表示リンクが分かれているものは、表示リンクも取り外します。
リング上になっていて、手で軽く広げながら外すことができます。
広げすぎると破損してしまいますので気をつけましょう。
サーモスタットの取り外し方④:固定ナットを外す
温度調節ハンドル、表示リンクを取り外したら固定ナットがあります。
スパナを使うタイプのものもあれば、
ウォーターポンププライヤーで挟んで取り外すタイプのものもあります。
サーモスタットの取り外し方⑤:サーモスタットを取り出す
固定ナットを外したら、サーモスタットを取り出すことができます。
手で引き抜くには固いので、マイナスドライバーなどを使って取り外すようにしましょう。
サーモスタットの不調を解消できたら、
逆の手順でサーモスタットをつけ直してくださいね。
まとめ
今回は、お風呂場の「サーモスタット」の修理・メンテナンスについて重点的にご紹介いたしました。
工具をお持ちの方、自信のある方は、ぜひ参考にしてみてください。
しかし、不注意により部品やネジ山の破損、組み付けの不良により水漏れが起きてしまい、
被害が大きくなってしまうという恐れもあります。
自身での修理が難しいと思ったら、専門の業者に依頼する方が懸命な判断と言えます。