【快適な生活のために】下水道管内の臭いを除去する道具・設備
ご存知の通り、道路の下には下水道管が通っており、私たちが流した生活用水などの汚水が流れています。
あまり想像したくはありませんが、ひどい臭いがすることは予想できますよね。
地下空間の臭気は適切に処理しなければ、下水道管内でメンテナンス作業などをするときの障害になるばかりか、マンホール等を通じて地上に臭気が上ってきてしまいます。
こうした事態になることを避け、下水の臭いを逃すために、どのような工夫がなされているかをまとめてみました。
目次
たまに臭う…?下水道の臭気について
地下に埋められた下水道管を通るのは、私たちの生活排水(炊事・洗濯・風呂・トイレ等)や、工場やビルから出る排水などです。
下水の臭いの原因は、これらの排水の臭気や下水道管内の詰まり・堆積物など。
様々な汚水が流れ込んでいるのですから、当然悪臭がします。
そして季節や天候によって下水道管の臭いが地上に上ってきて、私たちの鼻を突くわけですね。
汚水と雨水の違い
ここで補足ですが、「下水道管」には、生活排水などを流す汚水管と、雨水を流す雨水管があります。
汚水は下水処理場に運ばれ、雨水は河川等に運ばれる仕組みです。
※2つの管が一緒になっている合流式の下水道管もあります。
汚水のほうは処理施設に運ばれ、浄化されたのち河川等に排出され、雨水は直接排出されます。
一言で「下水」といっても、汚水と雨水は違う扱いだということですね^^
下水の臭気を処理する仕組み
様々な排水が混ざった下水道管(汚水管)内は、当然悪臭が漂います。
閉ざされた空間に悪臭がこもると、点検・修繕・清掃などの管内作業をする作業員にとって非常にひどい環境と言えますよね。
下水道という閉ざされた空間においては、悪臭だけでなく、酸欠事故を招くこともあるのです。
そのため、下水道管内の臭気を処理するための専用の機材が存在します。
いくつかご紹介しましょう。
下水道管内の換気を行う”送風機”
簡易な仕組みで下水道管内の換気を行えるのが「送風機」です。
ジャバラになった筒の片方にファンがついており、下水道管内の吸気・排気を行うことができます。コンパクトに折り畳め、持ち運びに便利な点がメリットです。
筒の片方をマンホール内にたらし、ファンによって下水道管の空気を入れ替えます。
無翼タイプの送風機もある
ファンがついたタイプの送風機は、どうしても管の入り口付近をふさいでしまいます。
そこで、人やモノの搬出入をスムーズにするため開発された「無翼タイプ」の送風機もあります。
マンホールの入り口に特殊な機器を設置することで、人やモノが通るスペースを確保した上で換気する仕組みです。
作業性は向上しますが、ジャバラタイプの送風機などに比べると非常に高価な機材になります。
街中にある換気口
気づく方は少ないかもしれませんが、実は街中にも、下水道の換気口があるんです。
このようなコンパクトな設備ですが、常時下水道管内を換気を促すことができます。
下水の臭いが気になったときは?
様々な対策がとられているとはいえ、下水臭を全く感じないようにさせることは容易ではありません。
道を歩いていて、ふとした瞬間に嫌な臭いを感じることがあるでしょう。
マンホールなどから上がってくる臭気は、下水道管内の詰まりや堆積物が原因の場合もありますし、付近の建物の排水槽から臭うこともあります。
もしも下水の臭いを感じ、対策して欲しい場合は、その地域を担当する下水道局の出張所に連絡してください。
臭いの発生場所・原因を調査してくれます。
まとめ
私たちが日々出している生活排水は、様々な設備と絶え間ないメンテナンスによって処理されています。
私たちが毎日快適に過ごすことができるのは、こういった目には見えないサポートがあってこそです。
下水道の仕組みや働きについて興味がある方は、東京都内で以下のような施設がありますので、一度足を運んでみてください。
下水道についての理解が深まりますよ^^