小平市ふれあい下水道館に行ってきた【前編】

水道は、上水と下水に分かれています。
上水は飲料水などの生活用水に使う水で、下水は使用済みの汚れた水と雨水を指します。
上水・下水ともに整備が必要なものですが、使う水(上水)に比べ使ったあとの水(下水)について気にかけることは少ないですよね。

今回は東京都小平市にある「小平市ふれあい下水道館」に行って、下水道の歴史や仕組みについて勉強してきました。

小平市ふれあい下水道館とは?

東京都小平市にある「小平市ふれあい下水道館」は、平成2年度に下水道の普及率が100%に達したことを記念して作られた施設です。
(下水道が普及したのは、結構最近のことなんですね!)

住所…東京都小平市上水本町1-25-31(西武国分寺線鷹の台駅下車 徒歩7分)
電話…042-326-7411
開館時間…午前10時~午後4時
休館日…月曜(休日・祝日の場合は、その翌日)/年末年始(12月27日から1月5日まで)
入館料…無料

※駐車場・駐輪場あり

近くには自然豊かな街道があり、お散歩がてら見学するのをおすすめします。

最大の魅力は…本物の下水道管の中に入れること!

小平市ふれあい下水道館の最大のウリといえば、「本物の下水道管の中に入れること」です。
地下25メートルで今も実際に使われている下水道管の中に入って、様子を観察することができます。

…ただし、2020年11月現在は新型コロナウイルスの感染防止対策として、下水道管内の見学は中止されています。
私が伺ったときも中に入れませんでした。残念!
(下水道管内にある監視カメラの映像を見ることはできます)

下水道管の中に入るなんて経験は、滅多にできないですよね。
見学できるようになったらリベンジで見学したいと思います^^

下水道館ならではの展示とビオトープがお出迎え

施設の外には、大きなビオトープと下水道にまつわる展示品が置いてあります。

「礫泥水加圧(れきでいすいかあつ)セミシールド掘進機」もありました。
「何だそりゃ!?」と思われますよね(笑)
この掘進機は、下水道管を新しく敷設する際に、地中を掘り進む機器です。
まるでモグラのように地中を掘り進み、掘進機が進んだ直後から管を置いていく仕組みです。

地上の生活に支障をきたさず下水道管を敷設できる、画期的な機器だそうですよ。

地上1階:エントランス&水槽

地上1階がエントランスになっていて、地下に潜っていきながら下水道について学ぶ順路になっています。

エントランスには水槽があり、きれいな水に生息する川魚(イワナやヤマメ)が生体展示されています。
また、見学が終わった後には小平市のマンホールカード(小平市オリジナルのマンホール蓋がプリントされたカード)をもらえるので、コレクターは要注目です!

マンホールカードのデザインはこちらで見られます。

2020年11月19日から配布が始まる新しいデザインのマンホールカードには、
微生物キャラクター「ヒルガタワムちゃん」が入っているそうです。
何度聞いても忘れてしまいそうな名前ですが(笑)、とっても可愛いですよ!

地下1階:微生物コーナー

ふれあい下水道館は地下に潜って探索していくというコンセプトで作られているので、順路は地上→地下階に降りていくように作られています。


<階段の途中に設置されている地下の様子のモニュメント>

地下1階は、下水に住む微生物・下水を浄化してくれる微生物についてのコーナーです。

昔理科の教科書で見たような微生物の写真が並んでいます。

微生物には、下水のような汚れた水を好んで生息するものや、下水を浄化してくれるものまでたくさんの種類があるそうです。


<真ん中が、キャラクターにもなっているヒルガタワムちゃん>

なかでも面白かったのが「クマムシ」の動画です。
クマムシは特殊な生態を持っていて、カラカラに乾燥した状態(乾眠状態)になると、-273度〜100度の温度変化、気圧の変化、電子レンジ、放射能、無酸素状態にさらされても死ぬことがないとのこと!

普段はコケの近くを好み、このように元気に動いているようです。
地上最強の生き物と言われるクマムシが実際に動いているのを見られたのは初めてだったので、良い経験になりました。

地下2階:暮らしと下水道

地下2階は「暮らしと下水道」がテーマで、先ほどの微生物階とは少し違った雰囲気でした。


<存在感のある模型がお出迎え!>

ここでは、江戸時代から現代までの下水道の歴史が学べます。

当時の様子を再現したモニターで、紙芝居のように歴史の紹介を聞けます。


<江戸時代:この頃から下水路が設置されていて、世界的に見てとても衛生的だった江戸の町>


<明治時代:神田の様子。雨が降ると下水が溢れていたそうです>


<たまご型の下水道が敷設されることで、下水が溢れることが減ったそう>


<当時の苦労がダイジェストでまとめられています>


<大正時代〜現代編>


<たくさんの工夫を経て、現代の雨水と下水が別になった下水道の仕組みが確立された>

私が特に面白いと思ったのが、汚泥を焼却して残った灰を利用し、様々な製品が作られているという点です。


<下水処理の最終段階、溜まった汚泥は焼却されています>

中には「こんなものまで作れるの!?」と驚くものも。


<ブロック:これはなんとなく、想像できますよね>


<花入れ:こんなクリアで綺麗な花入れが、汚泥から作られているなんて驚きです!>


<時計とネクタイピン:汚泥の雰囲気はかけらもありません…>


<紙:なんと、紙まで作れるそうです>

ものすごい量の汚泥が発生しているでしょうから、こうやって有効活用する道があるのは素晴らしいですよね。

長くなったので、後半に続きます!