夏休み直前企画!自由研究のテーマを「水」にしてみませんか?
子どもたちにとって1年で一番楽しみな「夏休み」が近づいてきましたね。
夏ならではの遊び・レジャーで思い切り夏休みを満喫したい!と張り切っている子も多いのではないでしょうか?
楽しい夏休み、唯一のネガティブ要素といえば「宿題」ですよね。
特に、自分でテーマを設定して進める「自由研究」に苦手意識を抱くお子さんは多く、
最後の最後まで、一番大変な自由研究が残ってしまった…ということも多いでしょう。
悩めるお子さんと親御さんの助けになるべく、
「水」と絡めた夏休みの自由研究に使えるテーマを5つご紹介します!
目次
自由研究のテーマに「水」をオススメする3つの理由
自由研究のテーマとして「水」をオススメするのには理由があります。
理由その①:テーマを広げやすい
一言で「水」といっても、様々な視点を持ってみることができます。
例えば…
水 × 歴史
水 × エネルギー
水 × 環境問題
などですね。
私たちの生活に密着した存在なので、テーマをどんどん広げていきやすいのです。
理由その②:身近な存在である
水を使わずに生きている人はいません。
朝起きたら蛇口をひねって顔を洗うし、料理を作るのにも水は欠かせませんよね。
月々の水道代を見て家計簿とにらめっこしているお母さんも多いです。
私たちにとって最も身近な資源である「水」は、研究テーマとして興味を抱きやすく、結果的にクオリティの高い自由研究が仕上がる可能性が高くなります。
理由その③:水について学べる施設が充実している
水にまつわる施設は、首都圏からすぐに行ける範囲にもたくさんあります。
歴史館や科学館、浄水場に、足を伸ばせばダムetc…
フィールドワークしやすい施設が多いのは、自由研究の大きな助けになります。
それでは早速、水にまつわる自由研究のテーマをいくつかご提案しますね。
どれかひとつを参考にしてもいいですし、複数のテーマを掛け合わせても面白いと思います。
テーマ例①:飲料水の成り立ちを調べる
私たちが普段、特別意識することなく飲んだりお風呂に使ったりする水は、どのようにして作られているかご存知ですか?
大きなサイクルでいうと、海の水が蒸発して雲になり、雨になって地表に降り、野山へ流れた水を集めて、人間が利用しています。
集めた水は、人間が安心して使えるように綺麗な状態に浄化し、私たちに滞りなく届けられるよう水道管が整備され、家々に配分されているわけです。
こう考えてみると、地球レベルの大きなサイクルと、水を浄化して家に届けるまでの人工的なサイクルがうまく機能しているからこそ、私たちは安心して水が使えるんですよね。
水が「飲料水」になり、私たちの生活を支えてくれている…。
その成り立ちを調べてみるのも面白いと思います。
東京都江東区有明にある「東京都水の科学館」では、水の成り立ちから浄水場の仕組みまで、楽しく学ぶことができますよ。
テーマ例②:水にまつわる名所をめぐる(関東圏)
水に関係する施設はたくさんあります。
首都圏からもアクセスのよい場所が多くありますので、水にまつわる名所を周り、その機能や歴史について調べてみるのはいかがでしょうか。
水道水源林
水道水源林とは、水資源確保のために重要な働きをする山林のことで、東京都の水道水源林として最も大きなものは山梨県甲州市にあります。
水道水源林の代表的な働きは、以下の3つです。
① 水源かん養機能 … 水を蓄え、ゆっくり時間をかけて流出させる
② 土砂流出防止機能 … 根や落ち葉、枯れ枝等によって、土砂流出や山崩れを防ぐ
③ 水質浄化機能 … 雨水等が森の山の中を移動することで、水をきれいにする
こうした自然の力を借りることで、東京の水源は守られているのですね。
東京都は、都の大切な水源である多摩川の水量を確保するため、明治34年から多摩川上流域にある森林を水道水源林として整備しています。
山梨県にある水道水源林はハイキングコースも整備されているので、自然を感じながら、フィールドワークすることもできますよ。
貯水池
貯水池(ちょすいち)とは、安定的に水を得るため、一箇所に水をまとめておく場所のことです。
ダムのような人工湖もあれば、自然の池を利用したものもあります。
東京都の上水道水源として有名な貯水池といえば、奥多摩湖・多摩湖・狭山湖でしょう。
特に、奥多摩湖(小河内貯水池)は日本最大の貯水池で、都内で使用される水の40日分の水を貯めることができます。
現地には奥多摩湖の歴史について知れる「水と緑のふれあい館」や「展望塔」、ハイキングコースもあるので、家族と出かけて学んだり、自然を満喫するのにうってつけです。
一方、東京都・埼玉県にまたがる多摩湖・狭山湖(村山・山口貯水池)も見応えたっぷりです。
戦火をくぐり抜けた第一取水塔(水をくみあげる設備)は、東京都の歴史的建造物に選定されていて、レトロな趣きが歴史を感じさせます。
首都圏から電車で行きやすいのもポイントですね。
羽村取水堰(せき)
取水堰(しゅすいせき)とは、主に河川から水を引き入れる際に設けられる取水施設の一種です。
JR青梅線「羽村」駅から徒歩10分のところにある羽村取水堰は、江戸時代(!)に作られた取水堰。
水を取り入れる水門と、魚が行き来するための魚道からなる設備で、投渡堰(なげわたしぜき)という珍しい工法で作られています。
江戸時代の技術力の高さが伺える名所です。
玉川上水
江戸時代、江戸市民の水需要の高まりから、上流にある玉川から江戸に向かって引かれたのが「玉川上水」です。
季節の風景を楽しめる市民憩いの空間ですが、江戸時代の人たちが手堀りで作った水路だと知っている人は少ないかもしれません。
約43kmの区間をわずか約92mの標高差を利用して水を流すよう設計されていて、当時の技術力の高さを感じます。
都内にも「上水」と名のつく場所は多くあるので、各地点を巡ってみるのもいいでしょう。
金町浄水場
東京都で初めてオゾンと生物活性炭とを組み合わせた高度浄水施設の運転を始めたのが金町浄水場です。
見た目の可愛らしさから、映画「男はつらいよ」シリーズにもたびたび登場するなど、下町のシンボルとしても有名ですよね。
JR「金町」駅から徒歩15分とアクセスが良いですし、
あわせて水道水のオゾン処理・生物活性炭吸着処理について詳しく調べてみるのもオススメです。
駒沢給水所
一般公開はされていませんが、「桜新町」駅徒歩7分のところに駒沢給水所があります。
かつて給水所として利用されていた施設ですが、現在は老朽化のため休止、応急救急槽として活用されています。
王冠型の巨大な円筒が2基建っており、貯めた水を落差圧によって渋谷地区に給水するという斬新な仕組みです。
今はもう動いていませんが、大正時代のロマンを感じる名所と言っていいでしょう。
テーマ例③:水害と暮らしについて調べる
年々、日本で増えてきている水害(水による災害の総称)。
大雨や洪水、それに伴う土砂崩れなど、水害が及ぼす被害は甚大なものがあります。
水害が起こる原因や、水害が起きたときのための防災への取り組みを調べてみましょう。
水害の原因を調べる
2020年の九州地方を中心とした大雨被害など、多くの水害の原因とされているのが地球温暖化です。
ここ数十年で、日本の気候はどんどん変化していっています。
毎年のように更新される夏の最高気温、連続する猛暑日など、私たちも地球温暖化の影響を実感していますよね。
また、過度な開発による森林の減少や、手入れが行き届いていない森林の増加も、土砂災害の増加につながっています。
防災対策を考える
これからも水害がなくなることは考えられず、むしろ増加していくことになるでしょう。
そうなると大切になるのが私たちの防災意識・防災対策です。
水害に備えて私たちができることはたくさんあります。
防災グッズを備えること・ハザードマップを活用すること・危険を察知する方法など、もしものときに被害を最小に抑えるためにできることを改めて調べてみましょう。
テーマ例④:水と環境・社会問題について調べる
上述した通り、私たちの生活環境は年々変化しています。
水資源を巡っては世界中で紛争が起こるほど、社会問題に発展しているのです。
日本は水資源が豊富なように見えて、実は他国から輸入する水に依存している国でもあります。
バーチャルウォーターの概念など、水資源と社会問題を結びつけたテーマも、掘り下げ甲斐があると思います。
テーマ例⑤:水道の歴史を調べる
東京都文京区にある「東京都水道歴史館」で、江戸時代からの水道の歴史を調べてみるのはどうでしょうか。
JR御茶ノ水駅から歩いて行けて、入館料も無料と、とても良心的な施設です。
歴史館というだけあり、江戸時代に使われていた本物の水道管(木製です!)が多数展示されていたり、江戸の水道の歴史について分かりやすく勉強できます。
江戸時代の展示がメインですが、大正〜現代にかけての水道の発展をまとめたコーナーもあるので、1日いれば水道博士になれること間違いなしです!
歴史館で学んだことをもとに、興味のある部分を深堀りして調べていくのも楽しいのではないでしょうか^^
まとめ
せっかくの夏休み。大変な宿題はさっさと終わらせて、楽しい遊びに集中したいと思うものですが、なかなか宿題に手をつけられない…というのが本音だと思います。
せっかくの夏休みを有意義に、楽しく過ごしてもらいたい!という気持ちから、自由研究に使えるテーマを5つご提案させてもらいました。
自由研究に悩む子どもたちの助けになったら嬉しいです!