IoT住宅で生活が変わる?未来の暮らしのあり方
最近よく聞く「IoT」、
”Internet of Things”の略で、日本語では「モノのインターネット化」といいます。
AIなどの最先端のテクノロジーという、漠然としたイメージをお持ちの方は多いと思います。
でも、実際に私たちの暮らしがどう変わるのか、なかなかイメージしづらいですよね。
そこで今回は、このIoTをわかりやすくご説明します。
未来の住宅といわれる「IoT住宅」について、どんな暮らしになるのか最新の事例をみていきましょう。
目次
そもそも「IoT」とは
まずは、IoTとは何なのかを説明していきます。
「モノのインターネット化」の意味
「IoT」とは、”Internet of Things”、つまり「モノのインターネット化」という意味です。
一般的には「すべてのものがつながる」と説明されることが多いかと思います。
「すべてのものがつながる」といっても、まだ漠然としていますよね。
具体的にいうと、家電や住宅設備などのいろいろな「モノ」が、インターネットを経由して通信しあうことです。
“Things”=「モノ」とは非常に広い概念ですが、
あえていうならば「今までインターネットにつながっていなかったもの」というところでしょうか。
例えば、無線通信機を内蔵した電気ポット。
ポットを使う頻度をモニタリングすることで、離れて暮らす大切な方の安否がメールで届き、
さりげなく見守ることができるサービスとして有名ですね。
これまでインターネットにつながることがなかったいろいろな「モノ」が、ネットワークを介する。
それによって、新しい使い方や便利なサービスが生まれ、私たちの暮らしが変わる。
これこそがIoT化の意味といえるでしょう。
IoTで何ができる?
IoT化されると、どんなことができるようになるのでしょうか。
一例を挙げると、外出先からでも給湯器の湯沸かし設定ができる、
留守中のペットの様子を確認できる、などです。
“仕事を終えてバタバタと帰らなくても、
遠隔操作でカーテンやシャッターを閉めることができ、家に着くころには温かいお風呂が沸いている”
こういったシチュエーションも叶えてくれます。
誰もが一度は「できたらいいな」と思うような生活ではないでしょうか。
さらに、将来的には操作さえいらなくなるかもしれません。
「モノ」自身が毎日の生活パターンを学習する機能を持つためです。
AIの進歩により、学習機能をより深めていくディープラーニングという技術が、今後より一層進展するといわれています。
・毎日の生活リズムに合わせ、照明や空調はもちろんのこと、洗濯機や掃除機までもが自動運転
・HEMSによってエネルギーコストを最小限に抑えながらも、もしものときに備えた安心な暮らしができる
※HEMSとは・・・Home Energy Management Systemの略で、家庭で使うエネルギーを節約・管理するシステムのことです。
まさに今、このIoT化によって、私たちの暮らしは大きく変わろうとしています。
IoT住宅とは
IoTがとても便利な仕組みだとお分かりいただいたところで、
IoT住宅について深掘りしていきましょう。
「未来の住宅」のイメージ
IoTの機能が搭載された住宅、その名も「IoT住宅」
まずは、すでに普及しているスマートハウスとの違いをおさらいしておきましょう。
スマートハウスとは、エネルギーの使い方をスマートにした住宅です。
太陽光発電設備や蓄電池、燃料電池などが備わった住宅と考えてよいでしょう。
ZEH(ゼッチ)と呼ばれるネット・ゼロ・エネルギー住宅も、スマートハウスに含まれます。
これに対し、エネルギーだけでなく、住宅のさまざまな設備をIoT化したものを「IoT住宅」といいます。
例えば、スマートフォンをかざすだけで玄関の鍵を開けることができるスマートロックが搭載された住宅などですね。
このスマートロックなどは民泊施設への導入もすすんでいますが、
一般の住宅でも徐々に普及が進んでいるところです。
ハンズフリーで開錠できる、オートロック機能で締め忘れを防止できるなど便利なため、
賃貸住宅への設置も増えてきています。
IoT住宅のメリット
IoT住宅のメリットは、利便性だけではありません。
省エネを実現し、エコな暮らしをアシストしてくれるというメリットもあります。
例えば、誰もいない部屋のエアコンや照明を自動で消したり、
西日の当たる部屋のカーテンを自動で締めたりなど、
住宅そのものが無駄なエネルギーを使わないようにコントロールしてくれるのです。
電気やガスの省エネができれば温暖化対策にもつながり、
ライフスタイルがより一層エコなものになっていきます。
また、IoT住宅によって、安全・安心もさらに高まると評価されています。
IoT住宅の機能のひとつ、遠隔操作を考えてみましょう。
外出先であっても、スマートフォンなどから施錠の確認や操作ができます。
高齢の方やお子さんがお留守番をしているとき、遠隔操作で戸締りを確認できれば安心ですよね。
超高齢化社会といわれる日本では、今後IoT住宅のニーズは高まっていくと予測されています。
IoT住宅の今
日本の住宅メーカーもIoT住宅のラインナップを充実させてきています。
大和ハウス「Daiwa Connected」
大和ハウスは、2018年1月からGoogle Homeを搭載した注文住宅「Daiwa Connected」の受付を開始。
「おはよう」の声でカーテンが開き、照明がついてコーヒーメーカーにも電源が入るような
「スイッチのオン・オフから解放される」生活を提案しています。
休日には「シアターモードにして」の一言で、
スクリーンが降りてくると同時に照明も落とされ、プロジェクターがオンに。
NetflixやYoutubeとも連携しているため、
好きな映画やドラマ、音楽をすぐに楽しむことができます。
リモコンなどの操作ではなく、たった一言でいろいろな家電の操作ができる。
まさに未来の生活といったイメージではないでしょうか。
Panasonic「カサートアーバン」
パナソニックのIoT住宅「カサートアーバン」は、
室内の各所に設置した「HomeX Display」からいろいろな操作が可能です。
「HomeX」はインターネットでクラウドにつながっているため、
気象予報に応じてシャッターを自動で締めたり、
台風の接近を予測して蓄電池へ充電したりすることができます。
学習機能も備えているため、家族の好みに合ったテレビ番組をすすめてくれたり、洗濯日和をお知らせしたり。
家事の時間やくつろぎの時間などには、場面に適した明かりや音を演出もしてくれます。
「家そのものがもうひとりの『家』族になる」といった、親しみのあるIoT住宅を提案しています。
アメリカでは「コネクテッドホーム」
北米のIoT住宅プラットフォーマーの最大手である「Vivint Smart Home」
もともとはセキュリティサービスを提供する会社でした。
現在は月額制のサービスによって、照明やサーモスタット、スマートキーなどを取り付けることができ、
スタッフが自宅まで使い方の説明に訪問するというサービスを展開しています。
AmazonやGoogle、AppleのようにIoT製品を販売するのではなく、
そういった製品を選び、使い方を教えるという行き届いたサービスによってシェアを高めています。
IoT住宅と水回りの関係は?
IoT住宅の概要を説明してきましたが、
IoTにより便利になっていくのは、水回りの設備ももちろん含まれます。
上述したお風呂を沸かすシステムや自動洗濯に始まり、
ゆくゆくは食器洗いや水回りの掃除までも自動化していくかもしれません。
飽くなき利便性の追求により、
私たちと水回りの生活の関係は、
より便利かつ快適なものに変わっていくことでしょう。
まとめ
日々新しい技術やサービスが開発されるIoT住宅。
今はまだ耳慣れない言葉ですが、数年後には当たり前になっているかもしれませんね。
私たちの生活をより便利に、そして誰もが安心して暮らせるように手助けしてくれる便利な技術。
それと同時にエネルギーの使い方を、より無駄のないスマートなものに近づけてくれる機能も備えています。
わくわくするような新しいアイディアに満ちあふれたIoT住宅。
どんな未来の住宅が待っているのか、今から楽しみですね。