修理しようと思ったら逆効果!水道の間違った修理方法

日常生活に欠かせない水回りは、
問題なく使えることが当たり前で、何か不具合が起きるととても不便に感じます。

修理業者を探して来てもらうと、お金はもちろん時間もかかってしまいます。
やっかいな水回りの故障は、一刻も早く元通りにしたいですよね。

最近はホームセンターなどでも、
水回りの部品や必要な工具が簡単に手に入るようになってきました。
DIYをするご家庭も増え、不具合をご自身でさっと直したいと思う方も多いことでしょう。

でもちょっと待っください!
簡単な修理と思っていても意外なところに落とし穴があって、
かえって事態が深刻化してしまうことも。

「今すぐ直したい!」という気持ちはよくわかりますが、
「逆にこじらせてしまった」とならないように、水回りによくある間違った修理方法をみていきましょう。

間違った修理方法1:違う部品を買ってしまう

水回りの故障個所で最も多いのは、やはり蛇口まわり。

蛇口の付け根などから水漏れする、
蛇口を閉めてもポタポタと落ちてくる、
水を出すとヒューっというような異音がする
、などです。

早く修理したいと思うあまり、
また、頑張れば自分で直せそうと思われがちな場所であるばかりに、
特に初心者の方がしてしまいがちなのが、合わない部品を買ってしまうことです。

蛇口のタイプが違う

蛇口のタイプは大きく分けて4つあります。

・ワンホールタイプ

キッチンなどの天板から立ち上がるような蛇口で、穴がひとつの「ワンホールタイプ」

・ツーホールタイプ

逆T字のような形で立ち上がっているのが、水とお湯の配管が別々に通っている「ツーホールタイプ」
ツーホールタイプの配管の穴と穴の距離、
すなわち取付ピッチは規格でほぼ203mmですが、念のため事前に測っておきましょう。

・壁付け2ハンドルタイプ

壁付け型の蛇口であれば、水とお湯のハンドルがそれぞれ分かれている「壁付け2ハンドルタイプ」
浴槽の水はり用などに多いタイプですね。

・壁付け単水栓

洗濯機の給水などによく使用される、水だけのシンプルな「単水栓」

まずは修理前の蛇口が4つのうちどのタイプか確認し、
それにあった新しい部品を購入する必要があります。

極端な話をすれば、ツーホールタイプの蛇口なのにワンホールタイプを購入してしまうと、
そもそも設置できず、せっかく買った部品が無駄になってしまいます。

ホームセンターなどにはたくさんの種類の部品が陳列されているので、迷ってしまいがち。
事前にご自宅でタイプや寸法を確認し、写真やメモを持ってお買い物に行きましょう。

口径の寸法が違う

蛇口を含む配管全般は、穴の大きさを示す口径を確認することが大切。
口径が合わなければ、既存の設置場所にぴったりと納まりませんし、
パッキンなどの他の部品もサイズが合いません。

水回りに限らず住宅設備部品のサイズは、ほとんどがミリメートル単位で表記されます。
確認する際はセンチではなくミリで確認するとよいでしょう。

蛇口などは型式をまず確認

蛇口にはタイプや寸法などを示す型式番号がありますので、
同じ型式の新しいものに交換することが最もスムーズです。

ただし製造メーカーにはそれぞれ製造期限があり、
一般的に10年をすぎると製造されなくなるものも多いので、
その際は後継機種や同タイプ、同サイズのものを選びましょう。

間違った修理方法2:修理箇所を傷つけてしまう

次に、修理しようと思ったら、修理箇所を傷つけてしまい、
事態が更に深刻になってしまうケースです。

経年している設備は要注意

水回り設備を修理中、ネジを回しすぎたり、力の加減を誤って
修理箇所を傷つけてしまうというのはよくある話です。
それに加えて、工具などを落として洗面ボウルやトイレの便器にヒビが入ってしまうことも。

陶器製品は高温で焼成するため頑丈にできていますが、
固いものを落とすと欠けたりヒビがはいることがあります。
キッチンのシンクなどは、特に経年しているともろくなり、
少しの衝撃で割れたりする恐れもあります。

その傷の程度によっては被害が広がってしまうこともありますので、
慣れない工具などの取り扱いには要注意です。

シーリング材などで応急処置

万が一、洗面ボウルやキッチンのシンクが破損してしまった場合、
ひとまずは水漏れを防ぐためにシーリング材などで応急処置をとるのがよいでしょう。
シーリング材とは、ヒビや隙間をパテのように埋めるのり状の材料です。

ただしこれはあくまでも応急処置ですので、根本的な解決にはプロの修理が必要です。
傷の範囲や状態によっては応急処置も難しい場合もありますので、
その際はプロに確認してもらうことをおすすめします。

水回りの設備それぞれについている止水栓を閉めることも、応急処置としてはベスト。
例えば、トイレの止水栓はタンクの横の配管に、
洗面台の止水栓は、洗面ボウル下のキャビネットの中に、
お湯と水それぞれついていることが多いです。
壁付けタイプの蛇口であれば、
蛇口ハンドルの後ろ当たりにマイナスネジのような止水栓がついていることも。

止水栓例(トイレ)

もちろんこれは給水を止めて水漏れを防ぐ対症療法ですので、
水を止めたら修理会社に連絡して修理にきてもらいましょう。

プロの修理会社に交換を依頼しよう

水回りの故障は、放っておくと故障個所が拡大したり、
集合住宅であれば階下に被害が及んだりと、非常にデリケートな箇所でもあります。

「これくらいなら大丈夫」と安易にDIY修理をして、
かえって状態が悪化してしまったというのは、実はよくある話。

事前の状態確認で、少しでも「わからないな、自信がないな」と思うことがあったら、
ためらわずにプロの修理会社に相談するのが近道ですよ。

間違った修理方法3:合わない工具で作業をする

水回りの作業には専用の工具が必要ですが、
いちいちすべてを揃えるのは、プロでない限り費用がかさんで大変でしょう。

だからといって手持ちの工具で片付けようとすると、
手間がかかる上にきちんと修理できないことが多いです。

ネジ山がつぶれるなど、被害が拡大する場合も

修理に限らず、DIYに慣れていない人がよくやってしまう失敗が、ネジ山をつぶしてしまうこと。
ネジ山の穴のサイズに合わない工具を使う、
ネジが締まっているのに強く回し続けてしまうことなどが原因です。

ネジ山がつぶれてしまうと別の工具が必要になったり、
さらに手間や時間がかかってしまうことになります。
修理の際には材料と工具が合っているかどうかも確認するようにしましょう。

電動工具は初心者は使わないほうがベター

電動工具はとても便利で、作業の手間も軽減される優れモノ。
しかし、初心者が扱うことはおすすめできません。

ドリルのようにハイスピードで回るものもあり、
服や髪などの巻き込み事故が起こりかねないからです。
電動工具によっては重大な事故を引き起こす可能性があるものもあります。

ご家庭で使う場合は、DIY教室などで電動工具の適切な使い方を学んでから使用することをおすすめします。
保管する際は、お子さんの手の届くところには決して置かないようにしましょうね。

くれぐれも無理はしない


毎日の暮らしに欠かせない水回り、一刻も早く修理したい気持ちはわかります。

でも、事前の確認で少しでもわからないところがあれば
DIY修理は控えておいたほうが無難です。

水回りの混合水栓や配管などは複雑な箇所があり、
部品の点数も想像以上に多く使われています。
また、水道配管は個人の所有範囲と、
公共設備の管轄範囲が隣接している場合もあります。

簡単にできるだろうと思って始めた修理が、
予想以上に複雑で余計にこじれてしまい、修理会社も手をこまねいてしまう事態になることも考えられます。
くれぐれも無理はせず、早い段階でプロに相談するのが安心です。

まとめ

水回りのトラブルはとても不便で、何よりも早く元通りにしたいですよね。
最近ではプロも御用達にするような部材を扱うお店で、
誰もが修理部品を買うことも珍しくなくなってきました。

ただ一方で、昨今の水回りは多機能、高機能になり複雑な仕様のものも増えてきています。
早く直したいあまりにDIY修理をして、
傷が広がってしまっては元も子もありません。
慣れない修理は経験のあるプロにお任せして修理してもらうのが、解決への近道といえますね。