ユニットバスのリフォーム〜後悔しないリフォームのポイント〜
ユニットバスと聞いて、どんな浴室を思い浮かべますか?
バスタブ・トイレ・洗面台が一体になった、ビジネスホテルのような浴室を思い浮かべる方が多いかもしれませんね。
実は、ユニットバスとはトイレとお風呂が一体型の浴室のことではありません。
一言で「ユニットバス」といっても、多くのタイプやラインナップがあり、ユニットならではのメリットもたくさんあります。
今回は、ユニットバスの特徴やメリット・デメリットは何なのか、ユニットバスへのリフォームはどんな家におすすめなのかなどについて、詳しくお伝えします。
ユニットバスへのリフォームの流れもおさえて、ぜひ快適なバスルームを実現してくださいね。
目次
ユニットバスとは?
「ユニット工法」のバスルーム
そもそも「ユニットバス」とは、「ユニット工法」によるバスルームのことです。
「ユニット工法」とは、浴槽、壁、床などを別々に組み立てるのではなく、すでに組み立てられた状態で設置する工事方法を指します。
いろいろな部材をひとつひとつ組み合わせバスルームを完成させるのではなく、全体でひとつのパッケージになったものと考えてください。
ビジネスホテルやワンルームマンションなどに多い、バスタブ・トイレ・洗面台が一緒になったバスルームは、「3点ユニットバス」と呼ばれます。
これは、あくまでユニットバスの種類のひとつです。
ユニットバスの特徴は、組み立てる必要が少なく、工期が短いこと。
ユニットバスは、前回の東京オリンピックの際、短納期で高層ホテルを建てる必要に迫られ、生まれたものだといわれています。
ユニットバスとは、浴室のスペースに、完成されたバスルームを丸ごと埋め込んだようなイメージです。
そのため、建物とユニットバスとの間が断熱層になり、外気の影響を受けにくくなります。
断熱性が高いことはユニットバスの大きなメリットといえます。
また、壁や床がタイルではなくパネルのため、お掃除がしやすいのもうれしいポイントですね。
一方で、こうしたユニットバスの構造上、従来の浴室より狭くなったり、天井が低くなったりすることがあります。
建物の設計によってはユニットバスが入らなかったり、逆にスペースが余ってしまうことも。
また、浴室にもともと窓がある場合、ユニットバスのデザインによっては窓の開け閉めがしにくくなる可能性もゼロではありません。
ユニットバスの対義語は「在来工法」
パッケージ型のバスルームが「ユニットバス」。
その対義語は、部材をひとつずつ組み合わせる「在来工法」です。
浴槽や壁、床などのパーツをそれぞれ組み合わせてバスルームを作ります。
一昔前によく見た、ステンレスの浴槽にタイル張りの床などは、まさにこの「在来工法」によるものですね。
在来工法のメリットは、それぞれのパーツを好きにアレンジできることです。
カスタマイズの自由度が高く、オリジナリティの高いバスルームを実現することができます。
しかしその一方で、工期が長くなるというデメリットもあります。
また、建物の基礎の上に下地材を張り、その上にタイルを張り付けるといった構造が多く、この場合は外気の影響を受けやすいことがあります。
冬はタイルが冷え切って寒いという浴室は、在来工法によるものが多いでしょう。
ユニットバスと在来工法のハイブリッド「ハーフユニットバス」
ユニットバスと在来工法のメリットのいいとこ取りをしたものが、「ハーフユニットバス」です。
ユニットバスよりカスタマイズの自由度が高い商品です。
基本的には、バスタブと洗い場、床面がパッケージングされており、それより上のパーツを選んで組み合わせることができます。
床に近い部分がパッケージされているのは、防水性の理由からです。
例えば、浴室に柱があったり、屋根が傾斜していたりなど、
規格サイズのユニットバスが入らない場合でも、間取りを変更せずリフォームできることがメリット。
メーカーによっては、扉や照明などのパーツを選べることもあります。
工期の短さとカスタマイズのしやすさを同時に実現するハイブリッドタイプが「ハーフユニットバス」と覚えてくださいね。
ユニットバスへのリフォームがおすすめの家とは?
在来工法ではなく、ユニットバスを選んでリフォームした方がいいのは、どういった場合なのでしょうか。
工期を短くしたい
ユニットバスの大きな魅力は、工期の短さです。
建物の構造や条件にもよりますが、1週間程度で工事が完了することもあります。
対して在来工法の場合は、1か月以上かかることも。
お風呂のリフォームの場合、工事期間中は銭湯に通ったり、別の滞在先を見つけたりと、いろいろな手配が必要になります。
工期の短いユニットバスは家族への負担も少ないといえるでしょう。
また、集合住宅などで、リフォームの周囲への影響が気になる場合も、ユニットバスのスピーディなリフォームがうれしいですね。
バリアフリーにしたい
浴室のバリアフリー工事を考えるなら、ユニットバスへリフォームすることをおすすめします。
というのも、最近のユニットバスのラインナップはバリアフリー機能が充実しているためです。
最もスタンダードなタイプから、手すりの設置やまたぎ高さの低い浴槽をオプションとして付けることができます。
扉も引き戸や折り戸、開き戸など選べるケースがほとんどです。
ユニットバスへリフォームすることで、バリアフリー化もできるため、まさに一石二鳥といえるでしょう。
また、ユニットバスは先ほど説明のとおり、断熱効果が高いのが特徴。
冬場のお風呂で心配なヒートショックを防ぐ効果も期待できます。
タイルと異なり、パネル製の床材のため、触れたときの感覚も冷たく感じにくく設計されています。
もちろん万全を期すため、浴室暖房機能などもご検討くださいね。
ちなみに、ユニットバスのハイグレードタイプとスタンダードタイプで、付加できるバリアフリー機能に大きな違いはありません。
つまり、スタンダードなユニットバスでも、十分なバリアフリー機能をつけることができますので、どうぞご安心くださいね。
ユニットバスへのリフォームでの注意点
繰り返しになりますが、ユニットバスはパッケージ商品です。
パッケージ商品ということは、サイズなど決められた規格が存在します。
そのため、ご自宅の構造などによっては、ユニットバスが適さない場合もありますので、注意が必要です。
浴室の面積や高さ、配管などの状況によってはユニットバスが入らないことも考えられます。
気になる場合は、検討の段階でリフォーム会社に相談するとよいですね。
その際、浴室の寸法などがわかる設計図面を準備しておきましょう。
また、特に古い浴室からのリフォームの際に多いのが、電気の配線などの問題です。
ユニットバスには、浴室暖房機能や乾燥機能を追加できるオプションがあります。
しかし、浴室側で電気の配線ができるかどうかは事前に確認をしておきましょう。
リフォーム会社に相談すれば、現在の配線の状況や浴室への引込の可否について判断ができます。
こちらも設計図面を準備して、相談にのぞみたいですね。
ユニットバスへのリフォームの工程とは?
まずは業者選び
ユニットバスへのリフォームをしたいと思ったら、まずはリフォーム会社選びです。
ユニットバスに限りませんが、リフォームの見積は複数の会社へ依頼するようにしましょう。
おおよそ3社くらいに見積依頼することをおすすめします。
3通りの見積を見比べることで、おおよその相場やイメージがつかめるようになりますよ。
リフォームの見積で多いのが、やりたいことがあれもこれもと増え、工事金額が膨らんでしまうことです。
おしゃれなカタログなどを見ていると目移りしてしまう気持ちはよくわかります。
しかし、最初にリフォームの範囲をはっきりとさせておくことが重要です。
例えば、バスタブの交換だけなのか、それとも浴室全体をリフォームしたいのか。
浴室全体なら、バリアフリー機能や浴室乾燥などのオプションをどうするのか。
「ここまではリフォームするけれど、その先はしない」と、しないことの線引きを思い切って決めておきましょう。
「大きなバスタブに変えたけれど、メインで使っているのはシャワーだけ」といった話もよく聞くものです。
ご家族のライフスタイルに寄り添ったリフォームでなければ、もったいない結果になってしまいがち。
ぜひ日頃の生活パターンを振り返って、本当によかったといえる浴室リフォームを目指しましょう。
工事の流れ
ユニットバスへの工事の流れは、大きく分けて次の通りです。
①養生
②解体・撤去
③給排水工事
④基礎工事
⑤内装工事など
このうち、②解体・撤去から⑤内装工事が終わるまでは水が使えなくなります。
また、解体作業などにともなって大きな音も発生します。
特に集合住宅にお住まいの方は、隣戸や上下への挨拶を事前に済ませておくほうがよいでしょう。
隣近所への挨拶は、リフォーム会社自身も行うことがありますが、施主としてあらかじめ断っておくことで、もしものトラブルのときもスムーズに解決しやすくなりますよ。
まとめ
ユニットバスは、トイレとお風呂が一体のものという誤解はとけましたでしょうか?
さらに、ユニットバスへのリフォームは、工期が短いというメリットのほか、断熱性やバリアフリー化も簡単にできるということがおわかりいただけたかと思います。
ぜひユニットバスのメリット・デメリットをおさえて、ご自宅にぴったりのリフォームを実現してくださいね。
理想のリフォームで、毎日のリラックス空間であるバスルームを、さらに快適に彩ってみてはいかがでしょうか。