洗濯機のトラブルに困っている人へ:よくある故障と原因・対処法について

毎日のお洗濯。
面倒な家事の時短に洗濯機ほど貢献してくれている家電はないでしょう。

ところが便利な洗濯機がある日突然止まってしまうと、
実際どうしていいのかわからなくなります。

今回は洗濯機の様々なトラブルについての原因と対処法をわかりやすくご紹介させていただきます。

給水側?排水側?トラブルの原因は水の流れだった!?

一般的な家電のトラブルは家電本体に原因があることが多いです。

ところが洗濯機においては、給排水に原因があることもあります。
こちらでは給排水側が原因で起こる様々な洗濯機のトラブルについて紹介させていただきます。

洗濯機に給水しない(給水側が原因のトラブルの事例)

「あれっ? 洗濯機に水が出てこない」

いつもと何も変わらないはずなのに、
洗濯機のボタンを押しても水が出てこないことがあります。
では一体何が原因で水が出てこないのでしょうか。

給水側のトラブルの原因① 洗濯機への給水用の水栓を閉めていた

普段は洗濯機用の水栓を閉めることはほとんどないと思います。
ところが何らかの理由で洗濯機用の給水ホースを切り離した時に水栓を閉め、
そのまま閉めた状態にして忘れていることがあります。

再度、洗濯機用の給水ホースと水栓の接続を完了した時には、水栓を開いておきましょう。

ちなみに、写真のように水栓がツマミタイプのものもあれば、
ハンドルタイプのものもあります。
ハンドルタイプは通常通り、右に締めれば給水が止まり、
左に回せば給水されます。普通の蛇口と同じですね。

給水側のトラブルの原因② 水道の元栓を閉めたままにしていた

自宅の水回りや給水管の工事をする時には、
水漏れを起こさないように水道の元栓を閉めます。

まれに、工事の際に元栓を閉めていたことを忘れていることもあります。
工事完了後には元栓を開けておきましょう。

給水側のトラブルの原因③ 緊急止水弁が作動していた

洗濯機の給水用の水栓が緊急止水付き水栓の場合、
止水機能が働き水を止めていることがあります。

この場合経年劣化などが考えられます。

対処法としては、
まず水栓についているホースをはずします。

はずすと通常プラスチック製の突起(止水弁)が出ているので、
固い場合は出し入れがスムーズになるまで上下に何度か押し込んでください。

場合によっては給水管の水圧が高くて動かないこともあるので、
一度元栓を閉め、洗濯機以外の蛇口を開いて水抜きを行います。
(こうすることで水圧が下がります)

再びプラスチック製の突起を何度か出し入れをしてみてください。
女性やお年寄り、お子さんの力では動かない場合もありますので、
根気よく水抜きしたり、場合によっては工具を使って止水弁のロックを外しましょう。

出し入れがスムーズになれば緊急止水弁のトラブルは解消できます。

給水側のトラブルの原因④ 洗濯機の給水フィルターにゴミがつまっている

洗濯機へ給水している水に井戸水、貯め水、
その他水道水以外の水を使っている場合に、
不純物が洗濯機の給水フィルターに溜まっていることがあります。

不純物がフィルターをふさぐほど溜まると当然給水されません。
対処法としては、
洗濯機側の給水ホースをはずし、
給水フィルターに溜まっているゴミを取り除いてください。

洗濯機が排水してくれない (排水側が原因の事例)

以下では、給水はできたが、
逆に排水ができないトラブルの事例をご紹介させていただきます。

排水側のトラブルの原因① 排水ホースにゴミがつまっている

洗濯機が排水しない原因で特に多いのが、
排水ホースにゴミがつまってしまい、正常に排水しないことです。

衣類はゴミやホコリがつきやすいので、排水ホースにはゴミがつまりやすいのです。

対処法としては、
洗濯機から排水ホースをはずし、ホース中を強い水圧の水で洗浄してください。
排水ホースの中から溜まったゴミがドカッとでてくるかもしれません。

排水側のトラブルの原因② 排水溝がつまっている

長く洗濯排水を流していると、
排水溝には「綿ゴミ」「髪の毛」「ホコリ」などが溜まっていき、
やがてヘドロ状になり洗濯排水を流しても、下水に流れてくれなくなることもあります。

対処法としては、
こちらも排水溝の中を強い水圧の水で洗浄してください。

排水側のトラブルの原因③ 洗濯機がホースを踏んでいる

「洗濯機がホースを踏む?」
そんなことがあるのかと思われるかもしれませんが、
洗濯機は脱水の際、遠心力の影響で元の位置から徐々に動いていく場合があります。

気がつくと洗濯機の足で排水ホースを踏んでいることもあります。
その場合は速やかに洗濯機の足から排水ホースをはずしてあげてください。

または、排水ホースが折れ曲がっている時もあります。
折れ曲がった部分で水がせき止められている可能性があるので、
元の状態に戻してあげてください。

排水側のトラブルの原因④ 排水弁の不具合で排水できない

洗濯が終わっても、汚水が洗濯漕に残ったまま排水されないことがあります。
この場合、排水弁の不具合が原因として考えられます。

一般的な洗濯機の構造は、モーターと排水弁がワイヤーで繋がっています。
経年劣化などの理由でワイヤーが動かない(または切れている)と、
排水弁が閉じられたままになっているので排水をすることができません。

対処法として、
何度かワイヤーを引っ張ると排水弁の開閉がスムーズになることがあります。

それでも不具合が解消されない時や、
そもそもワイヤーが切れてしまっているような時は、
一度修理業者にご相談されることをおすすめします。

一体何が原因?よくある洗濯機側のトラブル事例

洗濯機はどちらかというと壊れにくい家電の部類です。
ただ、一度トラブルが起こると中々その原因はわかりにくいです。
こちらではよくある洗濯機側のトラブル事例について、
わかりやすくご紹介させていただきます。

洗濯機側のトラブル① 洗濯機が回らない

洗濯槽に水が溜まっても一向に洗濯機が回らないことがあります。
洗濯槽内の底にはハネのようなものがついていますが、これをパルセーターといいます。

洗濯機が回らない時には、パルセーターに異物がつまっていることが多いです。
対処法として、パルセーターをはずし、中のゴミや小物を取り除いてください。

それでもパルセーターが回らない場合は一度修理業者にご相談されることをおすすめします。

洗濯機側のトラブル② 洗濯機が途中で止まる

洗いや脱水の時に突如洗濯機が止まってしまうことがあります。
この時の一番の原因が洗濯機内の容量のオーバーによる「衣類の片寄り」です。

洗濯機は洗いや脱水の時に洗濯槽が限度を超えて傾くと、
安全の為洗濯機を非常停止します。

「衣類の片寄り」が原因で止まった時の対処法は、
洗濯物を減らしてからもう一度洗濯機を回すことです。

洗濯機側のトラブル③  洗濯が終わってもフタが開かない

洗濯が終わった後に洗濯機のフタを開けようとしても
ロックがかかったままで開かないことがあります。
一度電源を切り再び電源を入れ直して対処してください。

フタのロックのセンサーが正常に作動して、フタが開いてくれます。

洗濯機側のトラブル④ 洗濯をすると糸くずだらけになる

洗濯をするたびに洗濯物が糸くずだらけになることがあります。
この場合考えられるのが糸くずフィルターの不具合です。

原因は糸くずフィルターの網目が壊れていることで、
フィルターが糸くずを逃してしまうことです。
対処法として、新しい糸くずフィルターを取り付けられてください。

洗濯機側のトラブル⑤ 洗濯機から異音がする

キュルキュルとした音が聞こえる

洗濯機からキュルキュルという高い音が聞こえる場合に一番考えられるのは、
モーターとパルセーターの軸をつなぐベルトの緩みです。
経年劣化でベルトがすり減りスリップをおこしていると考えられます。

対処法としてはベルトの交換です。
ご自分で変えられそうであれば替えられてみてください。
複雑そうで不安な場合は修理業者にご相談されることをおすすめします。

ガラガラという音が聞こえる

ガラガラといういかにも機械が壊れたときの様な音がする場合には
直ぐに洗濯機を止めてください。
パルセーターや内部の部品が破損している場合があります。

この場合にはすぐに修理業者にご相談されることをおすすめします。

素人仕事でトラブルが解消する?甘い考えが最悪の結果に!

最近はネットで洗濯機の修理動画が数多くアップされています。
一見簡単そうに直しています。
ところが本当に直っているのかどうかはわかりません。

ネット動画の内容はあくまで部品の交換の仕方を動画で撮影しているだけです。
みなさまの洗濯機がトラブルを起こした原因がネット動画と同じかどうかもわからないのです。

もちろん原因が同じであれば良いですが・・・。

ここで問題なのは余計なことをしたばっかりに、さらに状況が悪くなることです。
実際は簡単に直るトラブルだったにもかかわらず、
ネット動画を信じて部品を取り換えたばっかりに手に負えなくなることもあります。

家電の修理の知識が全くない方は、
下手に洗濯機の修理には手を出さない方が良いでしょう。
素人仕事で直そうと考えて、その甘い考えが最悪の結果を招くこともあります。

また修理が高額になることが予想される時には、
残念ですが洗濯機を買い替えることをおすすめします。

まとめ

最後に洗濯機を少しでも長くもたせる秘訣をいくつかご紹介させていただきます。

洗濯物は適量で

どなたも、溜まった洗濯物は一度にまとめて洗いたいと思っておられることでしょう。
ところがこれが一番洗濯機やモーターに負担をかけています。
洗濯物は適量にされることをおすすめします。

洗濯以外の時は水栓を抜く

洗濯機が全自動なのでついつい水栓も開きっぱなしです。
この状態でいると給水ホースに水圧がかかったままなので負担がかかります。
できるだけ洗濯の時にだけ開くようにされることをおすすめします。

洗濯の途中にフタを開けて衣類を入れない

一度洗濯機が回り始めたら
洗濯コースが終了するまで衣類は追加して入れないようにしましょう。
調子よく回っていたものを一度止めるとモーターに負担がかかってよくありません。

メンテナンスを怠らない

ついつい先延ばしにしがちですが、
洗濯ネット内のゴミ掃除や、排水口周りの掃除をしておきましょう。
ゴミは、溜まってしまったあとに掃除するのは大変ですが、
日々少しずつメンテナンスする分には意外と簡単です。
慣れが必要ですが、ホース内の洗浄も誰にでもできる作業です。

洗濯機はメーカーの考える標準使用期間が平均6~7年ほどといわれています。
ですが、丁寧に使えば10年以上ももつこともあります。
普段から洗濯機に負担をかけずに大事にご利用されることをおすすめいたします。