屋外水栓〜ありがちなトラブルと予防策を徹底解説

庭の樹木や花への水やり、愛車の洗車など
屋外水栓が設置されていることで手早く自由に水を使うことができます。

ところが便利な反面、屋外に設置されていることから
屋内ではありえないような様々なトラブルにみまわれることもあります。

今回は屋外水栓にまつわる様々なトラブルと
その予防策についてわかりやすくご紹介します。

屋外水栓の種類

住宅の庭や建物の外部に設置されている水道の蛇口周辺のことを一般的には屋外水栓と呼びます。

用途が非常に多彩で、樹木や花への水やり、車やエクステリアの汚れ落とし、
手洗い、散歩したあとのペットの脚を洗うなど、使い勝手が非常に良いものです。

こちらでは様々な屋外水栓の種類についてわかりやすくご紹介します。

①散水栓


散水栓とは主に、庭の樹木や花や芝生への水やり、
またエクステリア周辺の掃除や洗車などの時に使う水栓です。

一般的には地中に埋め込まれた蓋つきの散水栓ボックスの中に収納されており、
使用時に蛇口にホースをつけて使います。

②立水栓


立水栓の用途は散水栓とほぼ同じで、
水やり、汚れ落とし、手洗いなどの時に使います。
大きな特徴は、「地上から立ち上がった柱タイプ」になっていることです。

しゃがみ込まなくても使えるので、
高齢者や足の不自由な方は特に使いやすいといえるでしょう。

また散水栓との違いは、
柱をいろんなデザインにカスタマイズできることです。
和風、シンプルモダン、アバンギャルド、レンガ調、メタリック調など
建物のデザインに合わせて設置することが可能です。

最近のガーデニング人気から、色々なデザインの立水栓が発売されています。

③横水栓

横水栓とは、蛇口の向きが固定されており、
水を出したり、止めたりする機能のみのシンプルな水栓のことです。
用途は主に手洗いや掃除用です。

④壁水栓

壁水栓の主な設置場所は、2階以上の住宅や建物のベランダといった、
スペースが限られている場所の壁です。
目的は主にプランターなどへの水やりや各種給水です。

⑤ホーム水栓


見た目は横水栓とそっくりですが、蛇口が360度回転することが最大の特徴です。
学校の屋外に多く設置されています。
用途は主に手洗いや掃除用ですが、水を飲んだりすることもできます。

屋内水栓は滅多に使わないとそれほど気にはなりませんが、
頻繁に使用される場合には目的に合ったものを使わないと
意外とストレスになるのでご注意ください。

真冬には要注意!寒さによる凍結!屋外水栓のトラブル

温かい季節は問題はありませんが、
真冬になると屋外水栓は真冬ならではのトラブルに見舞われます。
こちらでは真冬ならではの屋外水栓のトラブルについてご紹介します。

トラブル①寒さによる凍結

散水栓や壁水栓は
水道管自体が地中や建物の壁の中を配管しているので、
外気に接しておらずどちらかというと凍結しにくい部類に入ります。

ところが立水栓は外気にさらされている造りが多く、
寒さによる凍結被害を特に受けやすい部類になります。

立水栓の中の水は一度凍結するとなかなか溶けにくく、
また水道管が氷結時の膨張に堪えられないと破損してしまうこともあります。

予防策

立水栓の凍結防止策として最近利用されているのが
「水抜き機能が付いた立水栓」を設置することです。
立水栓の柱の途中にもう一つ蛇口のようなものがついており、
そこから水抜きをするだけで凍結は予防できます。

また「水抜き機能が付いた立水栓」なしでも、
凍結が予想される前日に水を抜いたり、
立水栓に断熱材カバーを巻くことで凍結を予防することが可能です。

トラブル②豪雪地域で散水栓が雪に埋もれてしまう

雪が積もりやすい地域では、
地面に埋め込んである散水栓が雪に埋もれてしまうことがあります。
雪が降るたびに除雪するのは大変な手間と時間がかかります。

散水栓ボックスの蓋は地上とほぼフラットなので、雪が降ると簡単に埋没してしまします。

予防策

豪雪地域での散水栓が雪に埋もれないようにするには
屋根を作ったり、小屋などの内部に散水栓を設置されることをおすすめします。
また雪の高さを計算して、立水栓に切り替えることも効果があります。

経年劣化による屋外水栓のトラブル

一般的に、水道管は設置からある程度年月が経つと
経年劣化による腐食や破損、破裂が起こることが予想されます。
こちらでは経年劣化による屋外水栓のトラブルについてご紹介します。

外部に設置された屋外水栓は
月日の経過により経年劣化が静かに進行しています。
さらに通水による劣化も始まります。

また温度差、紫外線、酸性雨、台風などの天候・自然による被害も
屋内水栓に比べると受けやすいものです。

特に季節の温度差は、
中を流れている水を膨張・収縮させ、内部からもダメージを与え続けます。

予防策

経年劣化によるトラブルの予防策は
普段からの検査とメンテナンスしかありません。
一般的には設置から10年から15年経過した屋外水栓は、
専門業者に検査とメンテナンスを行ってもらってください。

もし室内の水道を全て止めていても、
水道メーターが上がる場合には屋外水栓からの水漏れの可能性があります。

ゴミが原因による屋外水栓のトラブル

こちらではゴミが原因による屋外水栓のトラブルについてご紹介します。

ほとんどの立水栓には排水設備がついています。
この排水設備にゴミがつまるトラブルが非常に多いといわれています。

1年の中でもゴミのつまりによるトラブルが激しくなる季節がです。
この時期は枯葉が落ちやすく、その枯葉が排水設備につまってしまうからです。

また排水設備の近くに砂場や泥場がある時も注意が必要です。
大風や台風が吹くたびに砂や泥が排水口に入ってしまうからです。

排水管の中は元々勾配が緩く取り付けられています。
そのため一度まとまったゴミの塊がつまると簡単に流れてくれません。

また一般的に水の排水だけが目的のため、
排水管の直径自体が小さいことから、
簡単にゴミがつまりやすいとい特徴もあります。

予防策

排水設備を使わない時にはゴム栓をしてください。
また、排水口が広くゴム栓がはまらない時には
蓋やカバーを上から被せるようにするという方法もあります。
できれば普段から排水設備周辺のこまめな掃除を心掛けるようにしましょう。

地震が原因で起こる屋外水栓のトラブル

地震が起こると、地面の亀裂や地盤沈下のニュースが増えますよね。
こちらでは地震が原因で起こる屋外水栓のトラブルについてご紹介します。

地震が起こった時には、外部に露出している水道管はさほど影響を受けません。
ところが地中に埋められている水道管はもろに影響を受けてしまいます。

屋外水栓に使われている立水栓や散水栓の水道管は
地中に埋められているものがほとんどです。
水道管が強い部材で繋がれているとはいえ、
地震による圧力は相当強く、破損・断裂することがあります。

予防策

現在地震の多い地域に住んでおられ、
屋外水栓の水道管が破損した経験がある方には
ぜひフレキシブルなポリエチレンパイプをご利用されることをおすすめします。

ポリエチレンパイプであれば地震による横揺れ、
地盤沈下による縦への衝撃のどちらにも対応が可能です。

内圧、外圧、残留塩素などあらゆる原因に対して強い耐久性を実現しており、
屋外水栓の素材に非常に適したものといえるでしょう。

ポリエチレンパイプは地震や地盤沈下など地中の動きに合わせて自然に曲がるため破損が少なく、
またジョイント部にも抜けがないといわれています。
長期間にわたる地中埋設でもサビや腐食が起こりません。
また住宅のベタ基礎の中を通されていることから、コンクリート埋設にも対応できます。

車や人からの衝撃が原因で起こるトラブル

立水栓など水道管が外部に面しているものほど、
様々な衝撃を受けることでトラブルが起こります。
車や人などが与える影響にも触れておきます。

特に多いのが、自動車やバイク、自転車がぶつかるトラブルです。
駐車するときや自転車に乗り降りする際に、
「ガチャン」とぶつけてしまった経験がある方もいらっしゃるのではないでしょうか。

また、砂利などを積載しているダンプなどの大型車が工事時に侵入してきた時に、
散水栓ボックスを踏み圧力がかかり水漏れを起こすこともあります。

その他にも人が不注意で立水栓にぶつかったり、
ボールや飛来物が当たってしまい破損・水漏れを起こすこともあります。

予防策

立水栓や散水栓を設置する時には、
自動車やバイク、自転車が通らない場所に設置してください。
一度接触すると何度も接触してしまうことがあります。

またボールや飛来物が当たりやすい場所に立水栓が建っている時には
こちらも場所を移動したり屋根をつけられることをおすすめします。

まとめ

今回は屋外水栓にまつわる様々なトラブルとその予防策についてご紹介しました。

屋外水栓は屋内に比べると重要度は下がりますが、
いざ使ってみると、とても便利なものです。

屋外にあることから、どうしても天候や外的要因でトラブルを起こしてしまいがちな屋外水栓。
トラブルを未然に防ぎ、快適に使用できるよう工夫してみてくださいね。