お得に新築・リフォームできる!次世代住宅ポイントって何?どう使う?

2019年10月に8%から10%に上がった消費税。
住宅や自動車など、増税前に大きな買い物をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか。
今回の増税タイミングでも、いわゆる「かけこみ需要」による消費の増加が確認されています。

10月以降の増税後の消費の冷え込みを防ぐため、
消費税率が10%となる新築やリフォームに対し「次世代住宅ポイント制度」が創設されました。

増税後の新築やリフォームなどを後押しする注目の制度です。
「補助制度は書類が多いし、手続きがややこしくて苦手」というあなたのために、わかりやすく整理してご説明します。

次世代住宅ポイントとは?

まず、この次世代住宅ポイントとはどんな仕組みなのかをご説明します。

新築・リフォームでポイントがもらえる

「次世代住宅ポイント制度」とは国土交通省が主管するもので、
2019年10月の消費税率引き上げに備えて創設された制度です。

新築の住宅や、既存住宅のリフォームに対し、
消費税率10%かつ引き渡しが2019年10月以降である場合に適用されます。

今年度の予算枠は約1,300億円(新築・リフォーム合算)という、
大規模な消費拡大のための施策という位置付けです。

次世代住宅ポイント制度の対象となるのは、

「環境」、「安心・安全」、「健康長寿・高齢者対応」、「子育て支援、働き方改革」に資する住宅の新築とリフォーム

です。

条件を満たす場合、工事内容に応じてポイントがもらえます。
もらったポイントは省エネ商品や防災関連商品、子育て関連商品など
いろいろな商品に交換することができます。

補助金と異なり使途が限定されていることは、この制度の特徴といえるでしょう。

次世代住宅ポイント制度には、専用のホームページが開設されています。
ホームページのトップ画面にも表示されていますが、
問い合わせが多く電話がつながりにくい状況のようですので、
気になる情報はあらかじめホームページでチェックしておくとよいですね。

対象となる新築工事・リフォームの条件

次世代住宅ポイントの対象になる工事について、
より詳しくみていきましょう。

新築の場合

次世代住宅ポイント制度のポイントが付与される条件は、
新築と既存住宅のリフォームとで異なります。

新築の場合は、

①エコ住宅
②長持ち住宅
③耐震住宅
④バリアフリー住宅

が対象となります。

この①から④のいずれかに該当する場合、
1戸あたり上限35万ポイントが付与されます。

ポイントの内訳は、「標準ポイント」「優良ポイント」「オプションポイント」となっており、
①から④に該当すれば「標準ポイント」の30万ポイントは自動的に獲得できる仕組みになっています。

「優良ポイント」と「オプションポイント」は、
それぞれに定められた条件に適合すれば、5万ポイントを上限に加算されます。

リフォームの場合

既存住宅のリフォームの場合、持家だけでなく貸家も対象となります。

1戸あたりの上限は30万ポイントですが、
若者・子育て世代であれば45万ポイントまでに引き上げられます。

貸家も対象になること、また子育て世代にはうれしい上限の引き上げがあることから、
注目の制度となりそうです。

既存住宅を購入してリフォームを行う場合は、
子育て世代とそれ以外の世代にそれぞれ特例が設けられています。

子育て世代は上限が60万ポイントまで引き上げられ、
それ以外の世代は各リフォームのポイントが2倍でカウントされます。

対象となるリフォーム工事を大まかに分類すると、
断熱改修、耐震改修、バリアフリー改修、家事負担軽減設備(食洗器など)の設置工事などです。

例えば、高効率給湯器などのエコ住宅設備のリフォームであれば、
2.4万ポイント獲得することができます。

なお対象となるリフォーム工事の中には、
設置台数に関わらず設備の種類に応じたカウントとなる(「〇〇ポイント×設置台数」とならない)場合もありますので、
申請時には注意が必要です。

次世代住宅ポイントの交換商品は?

獲得した次世代住宅ポイントは、
どんな商品と交換することができるのでしょうか?

省エネ、防災商品など

次世代住宅ポイントの交換商品は、
10月31日現在、すでに多くの商品がラインナップされています。

カテゴリーで分けると、

「省エネ・環境配慮に優れた商品」
「防災関連商品」
「健康関連商品」
「家事負担軽減関連商品」
「子育て関連商品」
「『地域の復興』に資する商品」

の6つです。

例えば「エネ・環境配慮に優れた商品」では、
液晶テレビなどの省エネ家電やLED照明、カーテンや園芸用品など、
新築やリフォームの後にほしくなりそうなものばかりですね。

「家事負担軽減関連商品」は自動食洗器やロボット掃除機など、
新しい住まいを快適に保ってくれる優れものも対象商品に含まれています。

商品の交換で気を付けたいのは、商品券や追加工事の費用には充当できないという点です。
新築やリフォームの追加工事の費用としてポイントを使うことはできませんのでご注意ください。

2019年9月末現在の情報まとめ

10月18日、次世代住宅ポイント制度のホームページにおいて、
2019年9月末時点の実施状況が公表されました。

それによると、累計の受付状況は、新築が18,605戸、リフォームが3,167戸の合計21,772戸です。
ポイント数では、新築とリフォームの合計で5,268百万ポイントという状況となっています。
(2019年9月末時点)

リフォームより新築の申請が多い状況となっていますね。

なお冒頭にご説明のとおり、次世代住宅ポイント制度は国土交通省の事業です。
予算は1,300億円とされていますが、申込が多く予算枠が埋まってしまった場合、
予定より早く終了することもあります。

申請の際はホームページをチェックし、直近の申請状況を確認することをおすすめします。
 

他の補助制度等の併用は?

たいへん魅力的な次世代住宅ポイント制度ですが、
他の補助制度と併用したいと考えている方は注意が必要です。

国の補助金との併用は不可

次世代住宅ポイント制度は国の予算を活用した制度であるため、
他の補助金制度との併用ができない場合があります。

特に、補助対象が重複する国のほかの補助制度との併用は不可とされています。

例えば一般社団法人環境共創イニシアチブが実施する、
「ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス支援事業(経産省ZEH)」
「ネット・ゼロ・エネルギーハウス(ZEH)化による住宅における低炭素化促進事業(環境省ZEH)」
との併用はできません。

一方で、地方公共団体の補助制度などの中には併用可能な制度もあります。

同じく国交省が行う増税による負担軽減のための「すまい給付金」
東日本対震災により被害を受けた方が住宅の購入などに利用できる「すまいの復興給付金」などは
併用可能と明記されています。
また、地球温暖化対策に貢献するとされる「外構部の木質化対策支援事業」も併用できます。

新築やリフォームに際し複数の補助制度を活用するときは、
申請前に併用ができるかどうか確認するとよいですね。
補助金の情報は、工務店やリフォーム会社が把握していることが多いので、
気になったときには気軽に相談するとよいでしょう。

まとめ

消費税率アップのタイミングで限定的に実施される、次世代住宅ポイント制度。
国土交通省事業であるため申請手続きは必要ですが、
対象要件や該当になる工事などがわかりやすく整理されている印象です。
また交換できる商品も徐々に充実しており、計画的に利用することで大きなメリットを得られるのではないでしょうか。

新築やリフォームは、人生の中で何度も経験するものではありません。
だからこそ後悔しないよう上手なやりくりを心掛けたいものです。
今回のタイミングで次世代住宅ポイント制度が創設されたことをチャンスと考え、ぜひ活用を検討してみてくださいね。