急に水道代が上がった!?水漏れ分の水道代は誰が負担する?返金される?

「水漏れで水道代が上がったんだけど、これって私が払わないといけないの?」

いつも通り水を使っていたはずなのに、水道代が3倍以上になっている!
家族が増えたわけでもないし、使い方にも問題はなかったはず。
そうなると、どこかで水漏れが起きている可能性が…。

水漏れの修理については業者にお願いするとして、
この水道代って私が払わないといけないの?

今回は、そんな疑問にお答えいたします。

記事の内容は「水漏れで上がった水道代は減額、返金されるのか?」に焦点を当てて、

  • 水道の使用者の「管理責任」の範囲
  • 水道代の減額・返金対象となるのは?
  • 減額・返金の手続き
  • 賃貸物件の場合

について、詳しくご紹介していきます。

給排水の水漏れでアップした水道代は誰が負担する?

まずは、水漏れが発生した際の水道代の負担者についてお答えするために
「水道の管理範囲」について詳しくご説明します。

「水道の管理範囲」とは、簡単にいうと
「水道施設の、ここからここまでは水道局、ここから先は使用者で管理してくださいね」
という、水道の管理責任者を定義したものです。

水道は、地下に埋められた配水管から、
各家庭に通じる給水管を通って蛇口から水が出てくる仕組みです。
そして、給水管から蛇口までの間に設置された「水道メーター」で
水量を測定し使用者の水道料が算出されます。

「管理範囲」は、この「水道メーター」を基準に、
「水道局の管理範囲」と「使用者の管理範囲」が決められているのです。

※画像は東京都水道局のホームページからお借りしました。
 「お客様」とは「使用者」のことです。

つまり、

・給水管から使用場所の水道メーターまで = 水道局の管理
・水道メーターから先 = 使用者の管理

となります。

原則、水道メーターに表示された料金は使用者が負担

ここで「水漏れが発生した場合、水道代は誰が負担するのか?」についてお答えすると、

「原則、水道メーターに表示された料金は使用者が負担」

が基本となります。

例えば、水道局の管理範囲となる水道メーターから配水管の間で水漏れが起こった場合は、
そもそも水道メーターを通る水量に何の影響もありません。

水漏れで水道料金が上がるということは、
「使用者の管理範囲」である水道メーターから蛇口までの間で、水漏れが発生しているということです。

「使用者の管理範囲で起きた水漏れだから、使用者が負担してくださいね」
というのが、多くの自治体での基本的な回答となります。

減額対象になる水漏れの種類


しかし、「それじゃ納得いかない!」と思う人もいると思います。

事例によっては、水道代の減額・返金の可能性もあります。

ちなみに減額・返金の対象は、「使用方法や管理について、使用者の過失がない」ことが前提です。
具体的にあげると、

  • 使用方法に問題がない
  • 水漏れ箇所の発見が難しい場所である
  • 修繕・メンテナンスが適切に行われている

などが挙げられます。

注意していただきたいのは、これらはあくまで目安の基準ということです。
水道局HPによると、明確な金銭負担の基準は明記されていません。
(基本的には使用者負担としています)

結果的に返金請求できるかはケースバイケースということでしょう。

それぞれの基準について詳しく説明していきます。

使用方法に問題がない

使用方法に問題がないというのは、設備を適切な範囲で使用しているか、
何かモノを落としたり、強い衝撃を与えたりしていないか、ということです。

水漏れの発見が難しい場所

水漏れの場所が、普段の生活では発見が難しい場所の場合です。

例えば、家の壁の中や庭の地中だと、
日常ではまず目にすることがない場所ですよね。

逆に、トイレやキッチン、お風呂場などでしたら、減額・返金対象となるのは難しいようです。

修繕・メンテナンスが適切に行われている

また、いくら発見が難しいといっても、
水漏れの疑いがあるのにそのまま修理を怠っていれば、水道代はどんどん上がってしまいます。

仮に減額・返金対象となるような事例でも、修理を放置していた期間をさかのぼっての請求は難しいです。

水漏れした分の水道代の返金請求はどうするの?

自治体によって対応はさまざまです。
今回は、東京都での例をご紹介します。

東京都の事例

東京都は、水道の減額・返金請求の窓口はありません。
水道のトラブルについては、水道局の「お客さまセンター」という窓口があります。

ちなみに「ダメ元でとりあえず電話してみよう」と電話をしても、
相手を困らせてしまうだけですので、やめましょう。

「原則、水道メーターに表示された料金は使用者が負担」

は、東京都も同じです。

では、どのように問い合わせをすれば良いのかというと、

「指定水道業者を経由して申請する」

ということです。

そもそも、自宅の水道代が減額・返金の対象になるのか判断材料が必要ですよね。

その材料というのが、指定水道業者が水道局に提出する「修繕報告書」です。
「修繕報告書」は、日付、住所、修理箇所、修理内容などが記載されています。

水漏れの修理をしてもらい、上記の

・使用方法に問題がない
・水漏れ箇所の発見が難しい場所である
・修繕・メンテナンスが適切に行われている

が当てはまるようだったら、指定水道業者に問い合わせてみましょう。
指定水道業者経由で、水道局に申請をしてもらえます。

参考URL(外部リンク)

賃貸住宅の場合の対応

賃貸住宅の場合は、少し対応が変わってきます。
まずは管理人もしくは管理会社に連絡をしましょう。
(緊急を要する場合、管理会社が休みで連絡がつかない場合は、指定水道業者に連絡をして先に修理をしても大丈夫です)

「管理範囲」の話に戻りますが、原則は水道メーターから蛇口までは「使用者の管理範囲」でしたね。

賃貸住宅の場合は、さらに分割されて

・水道メーターから蛇口まで = 管理人(賃貸人・家主)・管理会社
・蛇口から先 = 使用者

となります。

そのため、給水管の設備からの水漏れは管理人・管理会社の負担となりますし、
水の出しっ放しや蛇口の破損・劣化などによる水漏れは使用者(居住者)の負担になる可能性があります。

いずれにしても、水道料金を見て水漏れの疑いがある時には、急いで管理人・管理会社に連絡をしましょう。


まとめ

今回は「水漏れで上がった水道代は減額、返金されるのか?」についてご紹介しました。

おさらいをすると

・水道の使用者の「管理責任」の範囲
・水道代の減額・返金対象となるのは?
・減額・返金の手続き
・賃貸物件の場合

となります。

水道の使用者の「管理責任」の範囲

水道の設備には、管理範囲が決められています。
水道メーターから先は、使用者の責任となるため
「原則、水道メーターに表示された料金は使用者が負担」が基本となります。

水道代の減額・返金対象となるのは?

水漏れの事例によって減額・返金対象となる可能性があります。
その事例とは、

  • 使用方法に問題がない
  • 水漏れ箇所の発見が難しい場所である
  • 修繕・メンテナンスが適切に行われている

でしたね。

減額・返金の手続き

自治体によって対応が違ってきます。
東京都の場合は、指定水道業者を経由しての申請となりますが、
各自治体の水道局のHPなどを確認してみましょう。
 

賃貸物件の場合

水漏れの箇所に関わらず、まずは管理人・管理会社に連絡をしましょう。
蛇口までの水道設備からの水漏れは管理人・管理会社の「管理範囲」です。

また、水漏れが起きているかどうかわからない場合は、
水量メーターにあるパイロットというものを確認してみましょう。

家の蛇口を全部閉めた状態でも、パイロットが回転していれば
家のどこかで水漏れが発生しているということです。

そして、水漏れが発覚したらすぐに水道局、もしくは指定水道業者に連絡をしましょう。