水栓レバーが固い!蛇口が固くなってしまう理由と混合水栓を快適に使うコツ

キッチンやお風呂の蛇口が回りにくい、固くて動きにくい、ということはありませんか?
蛇口を長い間使っていると、レバーが滑らかに動かなくなることがあります。
蛇口を使う度に、余計な力が必要になり、わずらわしいですよね。

今回は、そんなわずらわしさから少しでも開放されるよう、固くなってしまった水栓への対処法をお伝えします。
そして、再び同じトラブルに見舞われないよう、日頃から注意したいことも合わせてお伝えします。水栓レバーでお困りの方は必見です。

水栓レバーが動かないときの症状

ハンドルが回らない・動かない

蛇口が固くなってしまうと、開くのにも一苦労です。
また、水量の調節や水を止める際にも手間取ってしまいます。

オーソドックスな回すタイプの蛇口もそうですが、シングルレバーと呼ばれる、レバーを左右に動かすことで温度調節をするタイプの蛇口も使いづらくなってしまいます。

調整がしづらいだけでなく、力の弱いお子さんやお年寄りにとっては使えないというケースに発展することも。

また、無理な力を入れてしまい、水栓部材の破損など、より深刻なトラブルに陥ることもあります。

違和感を感じたら、早めの対処が吉です。

かろうじて動くが音がする

蛇口がまだ動かないという程ではないけど、滑らかではない場合、また、動かすとギシギシという音がする場合も要注意。
蛇口の中でトラブルが進行中です。

後ほど詳しくお伝えしますが、蛇口の動作部分には、滑らかに動くようグリスが塗ってあります。
グリスとは潤滑剤のことです。

このグリスが何らかの原因で少なくなってしまうと、蛇口が固まるトラブルにつながります。

動かしづらくなってから長い時間放置しておくと、グリスの切れた状態で、蛇口本体に傷が入るなどの二次被害が引き起こされる恐れも考えられます。

毎日使う蛇口は、知らず知らずのうちに動きが固くなり、気づいたときにはかなり固着していた、というケースもよくあります。
時には蛇口の動きをチェックして、滑らかに動くか、音がしないか確認することをお勧めします。家の中の蛇口同士を比べてみるのもよいでしょう。

動かしづらくなる原因は?

グリス(潤滑油)が切れている

蛇口と一口に言っても、多くの部品から成り立っています。
蛇口とは、正式には水栓金具といいます。

普段回すハンドルの下には、ナットやパッキンといった多くの部品が隠れており、
このうちのパッキンは水漏れを防ぐゴム製の部品で、このパッキンに潤滑剤としてグリスが塗られています。
長年使い続け、このグリスが切れてしまうことが、蛇口が固くなる原因として多いものです。

グリス切れだけであれば、グリスを補充すれば、蛇口の動きはスムーズに戻ります。
しかし、グリスが切れたまま放っておくと、ナットやパッキンなどがお互いにこすれ合い、傷が入ってしまいます。
こうなると、水漏れなどのトラブルに発展してしまうのです。

蛇口の内部に洗剤が入り込むことも、グリスが減る原因のひとつです。

特にクレンザーなどの研磨作用のある洗剤が内部に入り込んでしまうと、グリスの減少につながりやすいと言われています。
クレンザーなどで蛇口を掃除するときは、できるだけきれいにふき取るようにしましょう。
水で洗い流すと、蛇口の内部にクレンザーが入ってしまうため、ふき取ることをおすすめします。

サビついているなどの劣化

蛇口を長期間使うと、サビなどが発生します。このサビも蛇口の固着の原因となります。
水回りの設備にはサビに強いステンレスが使われることがほとんどですが、サビを完全に防ぐことは難しいものです。

サビの発生を防ぐのは難しく、また蛇口を分解してサビを落とすことも技術力を必要とします。
蛇口が固まってしまった原因がサビであれば、経年劣化と考えて交換するのがよいでしょう。

水道水のミネラル成分が固まっている

水道水にはミネラル成分が含まれ、それが結晶化したものが水垢になります。

こうした水垢も蛇口の動きにくさを引き起こします。
特に、しばらく使っていない蛇口など、あまり動かさない箇所で発生しやすいのが、水垢による固着です。
水道水の水質にもよりますが、逆にいえば、常に動かしている蛇口だと水垢がつきにくいともいえます。

スパウトと呼ばれる、水栓の本体から伸びる注ぎ口は、左右に動かせるようになっていることがほとんどです。
しかし、水垢がついてくると動きにくくなり、そのまま放っておくとついには固まってしまいます。

これを防ぐためには、定期的にスパウトを左右に振ることがおすすめ。
気が付いたときに、体操のようなイメージで、右、左に動かしてあげましょう。

ただし、すでに固くなっていれば、無理に動かすことは禁物です。
力づくで動かすと配管に負荷がかかり、水漏れなどを引き起こすこともあります。
固く動かないようであれば、水道工事業者に修理を依頼するようにしましょう。

固い水栓レバーの改善方法

とりあえず、タオルを巻いて回す

水栓レバーや蛇口が固くて回らないとき、まずはタオルなどを巻いて回してみます。
タオルがなければゴム手袋などでもOKです。
手がすべらずに、しっかりと回せるようにして再度チャレンジしてみましょう。

それでも動かなければ、蛇口内部のトラブルが進んでいると考えられます。
力いっぱい回してしまうと、パッキンが破けるなど被害が大きくなってしまう恐れが。
くれぐれも無理はせず、適度なところで様子をみてください。

ハンドル・レバーの交換手順

応急処置でしのげない場合は、水栓自体を交換する必要があります。

ハンドル混合水栓の場合

「ハンドル混合水栓」とは、水とお湯が別々になった、昔ながらの蛇口です。
蛇口のてっぺんの、水であれば青、お湯であれば赤のハンドルビスが目印になっています。

ハンドル混合栓の場合、まず止水栓を閉め、ハンドルビスを回し、ハンドル部分を取り外します。
次に、取り外した中にある六角形の部品を回します。
このとき、反時計回りに回すよう注意してください。

六角形の部品を外すと、中にパッキンとバルブがありますので、これを新しいものに交換しましょう。
状態を確認し、ひび割れなどがなければグリスを塗って再度使うこともできます。
ただ、一般的にパッキンは消耗品ですので、交換するほうが無難でしょう。

シングルレバー混合栓の場合

「シングルレバー混合栓」とは、操作するレバーがひとつの水栓です。
左右に動かすことで水とお湯の調整を行います。
この場合も、まず止水栓を閉めることから始めます。

次に、レバーハンドルを取り外します。
ハンドルと本体の間にマイナスドライバーなどを差し込んで取り外します。
このとき、すでに固くて外れないようであれば、無理に力を入れないようにしましょう。
ハンドル下にネジがあるタイプもありますので、作業前に水栓全体を見て確認します。

レバーハンドルを外すと、中にカートリッジカバーがあります。
レンチなどでカバーを外すと、カートリッジが見えるはずです。
こちらも、あらかじめ用意した新品と交換します。

作業後は、先ほどと逆の手順でカートリッジカバーをつけ、レバーハンドルを元通りにします。
このとき、カートリッジカバーの向きに注意しましょう。

なお、どちらの場合でも、前もって交換部品を準備しておくと、スムーズに作業が進められます。
新しい部品を用意するためには、品番の確認が必要です。その際はこちらの記事を参考にしてくださいね。

プロの水道工事業者へ依頼する

それぞれの水栓のタイプの交換の手順はおわかりいただけたでしょうか。
蛇口には外から見える以上に多くの部品で構成されていることに驚かれたかもしれませんね。
蛇口の中の部材には細かいものも多いため、作業が不安だという方は、プロの水道工事業者へ相談しましょう。

また、蛇口がどうしても動かない場合も工事業者へ相談することをおすすめします。
無理に力を入れると、蛇口だけでなく配管まで傷めてしまう恐れがあるからです。
少しでも心配な場合は、プロへ連絡するとよいですね。
その際、トラブルの症状や蛇口の品番を伝えるようにすると、作業がスムーズです。
 

まとめ

毎日使う蛇口は、知らず知らずのうちに動きが固くなることが、往々にしてあります。
身近に触れるものだからこそ、その変化には気づきにくいものですが、滑らかに動くかどうかの確認を習慣にしておきましょう。

そして万が一、水栓レバーが固くなってしまっても、適切に対処し、被害を最小限に食い止めたいものです。
ぜひ今回の記事を参考にして、快適な暮らしを実現してくださいね。