溺れたり流されたり…水の事故から子供たちを守る!水難事故を避けるためにできること。

コロナ自粛期間が長く続いた日本列島。
自宅で遊んでいた子どもが、誤ってベランダの手すりを乗り越え落下してしまう事故が増えていたそうです。
子どもが事件や事故に巻き込まれるというニュースほど心が痛むものはありません。

そして迎えようとしている夏本番。
実は夏は水難事故が増えるシーズンでもあります。

水の事故から子どもたちを守るため、今一度水の事故について考えてみましょう。

なぜ夏に水の事故が増える?

夏に子どもの水難事故が増えがちな理由はいくつかあります。

①気候的な理由


夏は台風が発生しやすく、大雨・土砂崩れなどの被害が増えます。
普段は穏やかな小さな河川・側溝などの水かさが意外に増えていて、様子を見に行った人が誤って転落してしまうことがあります。

大人に比べて好奇心が強く、警戒心が希薄になりがちな子どもは、いつもと違う外の様子が気になって危険な場所に近づいてしまうことがあるのです。

②開放的なシーズン・雰囲気


夏といえば夏休み!海に川、プールにと、水のレジャーが楽しい季節です。
暖かいので開放的な気持ちになりやすく、そういった気持ちからくる行動が思わぬ事故につながる場合があります。

友だちと悪ふさげしていただけのつもりが、海などで溺れたりする事故は毎年聞くものですよね。

③今年は特にコロナを警戒して屋外派が増える


今までも①や②の理由から水の事故は起こってしまうものでしたが、今年からはさらに事故件数が増えるのでは…と危惧しています。

理由はコロナです。
夏の過ごし方として、密な屋内は避け、広い屋外でのレジャーに切り替える方が増えると予想されます。
そうなると、水難事故の発生率も一緒に上がってしまう、という予想です。

水難事故の3つの事例

河川財団の調べによると、水難事故による死亡率は50%を超えています。
水難事故に巻き込まれ、生死が分からない(行方不明のままの)方が多いのも特徴です。

しかし、一言で水難事故といっても、どういった例が挙げられるのでしょうか。
代表的なものをまとめてみました。

①流される


代表的な事故は「水に流される」事故です。
特に河川などでは油断しがちですが、浅いと思っていたら急に深くなる川、上から見ていると分からないが実は流れが急な川などはたくさんあります。
海でも、海流によって思わぬ方向に流されてしまい、遭難することがあるのです。

②溺れる


水深の深いところに入っていってしまい、溺れてパニックを起こしてしまうこともあります。
子どもが溺れていると、友だちや親が助けようと水に入り、一緒に溺れてしまうケースも多いものです。

また、プールなどで悪ふざけをして人の顔を水中に押さえ込み、押さえ付けられた人が溺死してしまうような事故も発生しています。

③水災害の二次被害

水難事故とは、海・河川・湖沼・プールなどの水域で起こる事故のことを指します。
そのため厳密には水難事故のくくりに入れることはできないのですが、大雨などの水関連の災害による二次被害も、事例として挙げておきたいと思います。

大雨により地盤が崩れていたり、河川が決壊したり、土砂崩れに巻き込まれてしまう可能性も十分あります。

水難事故から子どもたちを守るためにできること

考えただけでゾッとしてしまう水難事故から子どもたちを守るため、私たち親世代にできることは何でしょうか?

①水の怖さを伝える


子どもたちに、水の怖さ・水との正しい付き合い方を、口を酸っぱくして伝えていくことが何より大切です。
とはいえ、事故は起きるときには起きてしまうものですから、「溺れたときの対処法」「パニックにならない」など、具体的な対処法を学んでおくことをオススメします。

②水遊びの前にしっかり準備!


水遊びする前に、しっかり準備運動はしていますか?
急に水の中に入ると、足がつってしまい、溺れにつながってしまうことがあります。
しっかり体をあたためほぐしてから、水遊びを楽しむよう誘導しましょう。

また、救命胴衣やヘルメット、浮き板など、場所やレジャーの内容に合わせて、適切な道具を準備することを忘れてはいけません。

③二次被害を招かない

水難事故でよくあるのが、溺れた人を助けようとした人が一緒に溺れて犠牲になるケースです。
子どもが溺れていれば、反射的に助けようとするのは大人として仕方ないことですが、大人なら溺れないという保証はありません。
特にアルコールが入っていたりすると余計に溺れやすくなることもあります。
「助けるな」というのは無理なお願いですが、ロープで体をしばるなど、その場にあるもので二次被害を防げないか、冷静に判断しましょう。

また、大雨などで水かさが増した河川などの様子を無闇に見に行くのも危険な行為です。
大人が一緒に様子を見に行くなら大丈夫、と思うかもしれませんが、家族として、子どもを引き止められる大人でいましょう。

水難事故の連絡先

水遊び中の事故は、警察(110番)や消防(119番)にかけることが多いです。
周囲に監視員やライフセーバーがいれば、まずは声をかけ、通報は落ち着いて行います。

また、海での事故(溺れている人を目撃したなど)を発見し、周りにライフセーバーなどがいない場合は、

海上保安庁 118番(局番なし)

に連絡しましょう。
最寄りの海上保安部につながります。

余談として、118番は間違い電話が多いことで有名です。
「188番」の消費者ホットライン(消費者庁)と間違う人があとを絶たないそうですよ。
そして、いたずら電話は絶対にNGです。

気が動転していると、うまくダイヤルできないことも多いです。
水辺で遊ぶ機会が多い人は、事前に連絡先登録しておいても良いでしょう。

まとめ

遊んでいるときの楽しい気持ちに水を差すような内容だったかもしれませんが、水難事故は死亡率が高い悲惨な事故です。
事前に準備できることはしておく、もしものときは冷静に対応できるよう学ぶ、子どもたちへ正しい知識を伝えるなど、普段からできることはたくさんあります。

せっかく楽しい夏。子どもたちの悲しいニュースが聞こえてこないよう、私たち大人がしっかり対応していきましょう!