蛇口の古いパッキンをDIYで交換するポイントと方法を解説!

「あれっ?水が漏れている?」

蛇口を閉めたつもりなのに、ポタポタと水滴が止まらないことはありませんか。

蛇口の水漏れの原因には様々なものが考えられますが、
パッキンの劣化がそのひとつです。
そのままにしておくと水滴の量はさらに増えることが予想されます。

今回は蛇口の古いパッキンをDIYで交換するポイントと方法をわかりやすく解説します。

目次

蛇口のパッキンとは?

蛇口には「パッキン」というものが使われていることはご存知でしょうか。
ほとんどのパッキンは、丸い円の形状をしており、ゴム素材で作られていることが多いです。

蛇口のパーツの中でもパッキンは非常に地味な存在でどちらかというと「裏方」です。

ところがこのパッキンがもしついていなかったり、劣化を起こすと
蛇口が本来の機能を果たせなくなるかもしれないほど重要なものでもあります。

この章では蛇口に一般的に使われているパッキンについて詳しくご紹介します。

蛇口に使われるパッキンの目的とは?

そもそも蛇口に使われるパッキンの目的は一体何かご存知でしょうか。

蛇口で使われているパッキンの主な目的は、
蛇口のハンドルを閉めた時にしっかりと水道管からの水をふさぐことです。
いいかえるとパッキンは蛇口を密閉をするためのパーツということです。

蛇口のパーツは一般的には金属製品がほとんどです。
実際に蛇口を閉めるパーツの大部分も金属製ですが、
金属製だとどうしてもわずかな隙間が発生します。

水道の水により絶えず強い圧力をかけられているので、
このわずかな隙間があると、そこから水が漏れ出してしまいます。

パッキンの役目はこのわずかな隙間をゴム素材で密閉してふさぐことです。
ゴムの密閉力でしっかりと水をふさぐことで、水が漏れ出していくことが少なくなります。

パッキンのサイズ

固定式蛇口の内径(呼び径)は13㎜、20㎜、25㎜がありますが、
家庭用の蛇口は内径13㎜がほとんどといわれています。

品番がわかれば蛇口メーカーやホームセンターに問い合わせ同じものを取り寄せられます。
もし品番がわからない時には自分で調べることができますよ。
ちなみに、外径が16mmなら内径は13㎜になります。

蛇口のパッキンはどれくらいもつのか?(寿命)

蛇口に使われているパッキンの寿命はどれくらいでしょうか。

一般的には交換から約10年はもつといわれています。
当然使用頻度によって異なりますが
水道を使う回数に比例して劣化の速度は早まります。

毎日長時間、大量の水を使うような環境であれば約5~6年ほどで寿命を迎えることもありえます。
よって交換から5年を経過した蛇口のパッキンは
交換の検討を始められても良いのではないでしょうか。

また5年以内に蛇口からの水漏れがみられる場合には
劣化よりもパッキンのタイプやサイズが合っていないことも考えられます。
交換してからすぐに水漏れが起こった場合には
パッキンのタイプやサイズを調べてみることをおすすめします。

蛇口のパッキンにはどんな種類があるのか?

一口にパッキンといっても蛇口に使われているパッキンにはいろんな種類があります。
こちらでは一般的に使われている蛇口のパッキンについてご紹介します。

普通コマパッキン(ケレップ)

コマパッキンとは、その見た目が子供のおもちゃに使われている「独楽(こま)」に
形が似ていることから呼ばれるようになりました。

コマパッキンには普通コマパッキン、節水コマパッキン、ビス止めコマパッキンなどがあります。

コマパッキンはゴム部分と金属部分が一体化している構造です。

蛇口の内部に装着され、蛇口のハンドルを閉めるとコマパッキンはネジのように下がっていき、
ゴムの部分がフタになり密着することで水の流れを止めます。

特徴はコマ部分とスピンドルが分離されており「落としゴマ式」になっている点です。

スピンドルとはハンドルとコマパッキンをつなぎ、回転させる軸のことです。
プラスドライバーに例えると、持ち手がハンドル、実際にネジを回すプラスの部分がコマパッキン、
その間にあるドライバーの軸の部分がスピンドルにあてはまります。

節水コマパッキン

節水コマパッキンとは「水道代の節約」が期待できるコマパッキンのことです。

一般的に、元々は普通コマパッキンが蛇口に取り付けられていますが、
節水コマパッキンに入れ換えることで流出水量が調節でき、節水効果が期待できます。

特に台所や洗面所など流し洗いをする場所に設置することで、自然に節水することが可能です。
東京都水道局によると、節水コマパッキンを使った場合、
最大で約50%の節水効果があると報告されています。

ビス止めコマパッキン(固定コマパッキン)

主に寒冷地で使われているのがビス止めコマパッキンです。
一般的には固定コマと呼ばれ、コマ部とスピンドルが固定されています。

寒冷地においては、固定コマを使ってないと
蛇口が凍った時にコマパッキンが壊れてしまうおそれがあることから
固定コマが使用されています。

三角パッキン

三角パッキンの見た目は一般的に水道管に使われているパッキンと同じで輪っか型です。
断面が「三角形」に見えることから三角パッキンと呼ばれおり、素材はゴムでできています。

三角パッキンが使われている場所は
蛇口のハンドルの下のカバーナットの下の部分です。
三角の形をしているのは、カバーナットの形にぴったりと合うように設計されているためです。

三角パッキンを取り付ける時には、
真下に金属製の三角パッキン受けがあり、こちらもぴったりと納まるようになっています。

三角パッキンはカバーナットの部分からの水漏れを防止するために取り付けられます。
別名水栓ハンドル内パッキン、水栓上部パッキンとも呼ばれています。

Uパッキン

Uパッキンの見た目も輪っか型ですが、
断面が「U型」になっていることからその名前がつきました。
素材はゴムです。

Uパッキンが使われている場所は、蛇口本体と吐水口のつなぎ目です。

吐水口はご存知のように、フレキシブルに右に左に動かせるパーツです。
つなぎ目にUパッキンを取り付けることで水漏れを防いでいます。

Uパッキンは自在パイプ取付パッキンとも呼ばれます。

場所別 蛇口パッキンが劣化した時の症状と原因

蛇口にはいくつもパッキンが使われています。
パッキンが劣化してくると水漏れが起こりますが、劣化した場所によって症状が異なります。

こちらでは蛇口パッキンが劣化した場所で起こりうる症状についてご紹介します。

蛇口を閉めている時に吐水口からポタポタ水が漏れる

蛇口を閉めている状態の時は、スピンドルによって上部から圧力をかけられたコマパッキンが
給水管を閉じている状態です。

この時に吐水口から水がポタポタ漏れるということは、
コマパッキンのゴムが劣化していることが予想されます。

水を出している時にハンドルの根元から水が染み出てくる

蛇口を開けている時にハンドルの根元にある六角のカバーナット周辺から水が染み出る時には、
三角パッキンが劣化していることが予想されます。

蛇口を閉めている時にはこの場所から水が染み出ることはありません。

蛇口本体と吐水口のつなぎ目から水が染み出てくる

蛇口を開いて水を流出させている時に、蛇口本体と吐水口のつなぎ目から水が染み出ることがあります。
この場合次の2つの原因が考えられます。

①蛇口本体と吐水口のつなぎ目のナットがゆるんでいる
②蛇口本体と吐水口のつなぎ目の中にあるUパッキンが劣化している

蛇口のパッキンはどこで買えば良いのか?

水漏れの原因が蛇口のパッキンとわかっていても、
実際蛇口のパッキンがどこで売っているのかご存知でしょうか。

こちらでは蛇口のパッキンの購入場所についてご紹介します。

ホームセンターで蛇口のパッキンを買う

蛇口のパッキンはホームセンターでも購入可能です。

・コマパッキン(ゴム付ケレップ 13㎜用 2個入り)160円~250円(税込)くらい
・三角パッキン(水栓ハンドル内パッキン、水栓上部パッキン 13㎜ 1個入り)150円~270円(税込)くらい
・Uパッキン (自在パイプ取付パッキン 13㎜ 1個入り) 170円~250円(税込)くらい

基本的には安価に手に入れることがでますが、
金額はあくまで目安と考えてください。

100円ショップで蛇口のパッキンを買う

100円ショップでも蛇口のパッキンは購入可能です。

コマパッキン、三角パッキン、Uパッキンなど、
13㎜、19㎜サイズのものを購入できます。
店舗の大きさや品揃えによっては入手しづらい場合もありますのでご注意ください。

ECサイトで蛇口のパッキンを買う

アマゾンや楽天などのECサイトでもパッキンは購入可能です。

実際に店舗に行かなくて良いので便利ですが、
送料を考えると安い買い物ではありません。
パッキン本体より送料が高くついてしまいますね。

・コマパッキン(ゴム付ケレップ 13㎜用 2個入り)250円~350円(税込)くらい 送料別
・三角パッキン(水栓ハンドル内パッキン、水栓上部パッキン 2個入り)250円~350円(税込)くらい 送料別
・Uパッキン (自在パイプ取付パッキン 13㎜ 1個入り)300円~400円(税込)くらい 送料別 

たくさんの商品の中から選ぶことをできるのがECサイトの魅力ですが、
送料がかかりやすいことと、商品が多すぎて選びきれないこと、
専門家に相談しづらいというデメリットもあります。

DIYでパッキンを交換する時に使う道具とは?

こちらではDIYで蛇口のパッキンを交換する時に使う道具についてわかりやすくご紹介します。

モンキーレンチ


モンキーレンチはボルトやナットを締めたり、緩めたりする時に使う工具です。
幅広いサイズのボルトやナットに対応できることが可能です。

ウォーターポンププライヤー


ウォーターポンププライヤーは不定形な物や丸い物を掴み締めたり、緩めたりすることができる工具です。
モンキーレンチでは対応できない不定型なボルトやナットが使われている時に使用します。

名前の由来が水道管を掴む工具というところからきており、
丸い水道管などをがっちり掴んで作業する時に活躍します。
また細かいビスの締めや緩めにも対応可能です。

プラス・マイナスドライバー

プラス・マイナスドライバーはプラス・マイナスの小ネジの締め付け、緩めに使います。
先端部をプラス・マイナスの小ネジに差し込み握り手の部分を回すことで締め付けや緩めが可能です。

DIYでパッキンを交換する方法

こちらではDIYで蛇口の各パッキンを交換する方法についてご紹介します。

※全ての蛇口のパッキンの交換には止水栓を止めてから作業開始してください。

以下にご紹介する方法はあくまで一例であり、
工具や水道器具の扱いに不安のある方が安易に手を出してしまうと
水栓を故障させてしまうこともあります。
自信のない方や、工具が十分に手に入らない方は、
最初からプロに依頼する方が安心です。

コマパッキン(ゴム付ケレップ)を交換する方法

①蛇口のハンドル下の六角カバーナットをモンキーレンチで緩めて、ハンドルとスピンドルを一緒にはずします。

②古くなったコマパッキンを新品のコマパッキンに入れ換えます。

③ハンドルとスピンドルを蛇口本体に戻し、モンキーレンチでカバーナットを締めて完了です。

コマパッキンの交換は比較的短時間で完了します。

三角パッキン(水栓ハンドル内パッキン、水栓上部パッキン)を交換する方法

①蛇口のハンドルの上部にあるビスをウォーターポンププライヤーを使ってはずします。

②次にハンドルをはずし、六角カバーナットをモンキーレンチを使ってはずします。

③古い三角パッキンをはずして、新品の三角パッキンに入れ換えます。

④六角カバーナットをモンキーレンチを使って締め、ハンドルをはめ、
 ハンドル上部のビスをウォーターポンププライヤーを使って締めれば交換が完了です。

Uパッキン(自在パイプ取付パッキン)を交換する方法

①蛇口本体と吐水口をつないでいる六角ナットをモンキーレンチを使ってはずします。

②吐水口のつなぎ目に取り付けられている古いUパッキンを新品に取り替えます。

③吐水口を蛇口本体につないで、六角ナットをモンキーレンチで締めて完了です。

プロの水道屋に頼むといくらかかるのか?

こちらでは蛇口のパッキンの交換をプロの水道屋に依頼した時の料金についてご紹介します。

全国チェーンの水道屋に蛇口のパッキンの交換を依頼した場合

全国チェーンの水道屋さんに蛇口のパッキンの交換を依頼した場合、
部品代は別でパッキン交換の作業料金は8,000円~10,000円くらいといわれています。

※出張料金がかかるところとかからないところがあります。

一般的な街の水道屋さんに蛇口のパッキンの交換を依頼した場合

一般的な街の水道屋さんに蛇口のパッキンの交換を依頼した場合、
作業料金はかなり差があります。

業者からご自宅までの距離が離れていると出張料金が高くなることもありますし、
一概にいくらといえないものです。
普段から、信頼のおけるかかりつけの水道屋さんを見つけておくのもいいですね。

まとめ

今回は蛇口の古いパッキンをDIYで交換するポイントと方法を解説しました。

やり方自体はシンプルでも、工具が必要だったり、
水道周りは繊細な力加減が必要だったりと、
慣れていない場合には難しく感じることもあるのでしょう。

確かにプロの水道屋さんに依頼すると作業料金や部品代、出張料金がかかります。
しかし、水栓を故障させるなど、症状を悪化させるよりは安上がりというものです。

DIYでパッキン交換にチャレンジする場合は、
リスクを十分理解した上で取り組んでくださいね。