夏は特に注意!土砂災害から身を守る工夫と知識
夏になると大雨による災害のニュースが増えます。
土砂災害もそのうちのひとつ。
日本は、国土の特性上、土砂災害が起こりやすく、毎年土砂災害による甚大な被害が出ています。
日頃から、土砂災害から身を守るための工夫や知識を蓄えておきましょう。
目次
土砂災害とは
土砂災害とは、台風や大雨、地震などで起こる山の斜面崩壊(崖崩れ・土砂崩れ)、地すべり、土石流などによる災害ををまとめて呼ぶものです。
土砂が押し寄せてくるだけでなく、岩が落ちてきたり、流木による被害も、土砂災害のひとつに数えられます。
なぜ日本は土砂災害が多いのか?
皆さんは、日本で毎年どのくらいの数の土砂災害が起こっているかご存知ですか?
国土交通省の調べによると、なんと、毎年平均して1,105件の土砂災害が起こっているのです(昭和57年〜令和元年までの統計)。
もちろん規模の大小はありますが、まさかそんなに土砂災害が多いとは、と感じるのではないでしょうか。
日本においてここまで土砂災害が頻発するのには理由があります。
日本は傾斜が急な山が多く、起伏に富んでいます。
また、地震や台風(大雨)が多いことから、毎年多くの土砂災害が引き起こされるのです。
ちなみに、戦後急激に増えた人口により、山に近い地域の開発が進んだことで、土砂災害の被害が民家に及びやすくなったということもあります。
土砂災害の発生区域は全国どこでも見られ、土砂災害の恐れのある区域は68万区域とも言われています。
つまり、日本のどこに住んでいても、私たちは土砂災害への備えを忘れてはいけないのです。
土砂災害の前兆現象3パターン
土砂災害には前兆現象と呼ばれるものが起こることがあります。
「こういう状況になったら、土砂災害の可能性があるため、警戒する」という現象ですね。
次のような前兆現象を感じたら、身の安全を優先するようにしましょう。
①目に見える前兆現象
まずは、目視で見つけることができる前兆現象です。
・山の斜面にひび割れができている
・地面がひび割れたり、陥没したりしている
・高いところから小石がパラパラと落ちてきている
・地面から水が出ている
・川の水や井戸水が濁っている
・地面に亀裂や段差ができている
・雨にも関わらず川の水位が低くなっている
・川の流れに流木が混ざっている
・木が傾いている
こうした変化を感じ取ったら、土砂災害への警戒が必要です。
②耳で感じる前兆現象
次に、聴覚で感じることができる前兆現象です。
・地鳴りがする
・山鳴りがする
・木が裂ける音がする
・石同士がぶつかり合うような音がする
聞き慣れていないと、地震と勘違いしたり、別の物音と思ってしまったりしますが、
普段聞かないような異変を感じたら、注意しましょう。
③その他の前兆現象
その他にも次のような現象が、土砂災害の前兆として知られています。
・土から腐ったような臭いがする
前兆現象は気付かないことも多々ある
土砂災害の前兆現象はたくさんありますが、
・土砂災害の前に、常に起こるわけではないこと
・雨などの音にかき消され、気付きづらいこと
・夜間はさらに気付きづらい
などの理由から、なかなか土砂災害の前兆現象として結び付けられないケースが多いです。
台風や大雨、地震の際には、周囲の変化を注意深く観察し、早めの行動が大切になってきます。
土砂災害から身を守るためにできる3つのこと
それでは、土砂災害から身を守るため、私たちは具体的にどんな行動ができるのでしょうか。
①自宅や近所に「土砂災害警戒区域」があるかどうか確認する
国土交通省は、土砂災害の可能性がある地域を「土砂災害警戒区域」に指定しています。
自宅だけでなく、普段自分がよく利用する場所、近所なども、土砂災害警戒区域に指定されていないか確認してみましょう。
②非常用カバン、緊急時の行動等をチェックしておく
ハザードマップなどを活用して、もしもの際の避難経路や避難場所を確認しておくとなお安心です。
非常用カバンや備蓄のチェック、家族との連絡手段を決めておくのもいいですね。
こういったことは平常時でないとなかなかできません。
万が一の場合に備え、自分と家族の安全を確保する方法を確立しておきたいところです。
③天気情報を注視する
台風・大雨になったら、気象庁や自治体が出す「土砂災害警戒情報」を注視します。
警戒度により避難対象は変わりますが、不安であれば早めの行動が安心です。
高齢者がいるご家庭はもちろんのこと、小さなお子さんがいるご家庭は避難に手間取ることがあります。
早め早めの行動を心がけ、災害に巻き込まれないようにしましょう。
まとめ
日本に暮らしていると、当然のように目にする悲惨な災害。
でもどこかで、「自分は大丈夫」と思ってしまっている部分はないでしょうか?
災害は誰の身にも等しく降りかかる可能性があります。
雨の多い時期・台風の時期はもちろんのこと、普段からできる災害対策(ハザードマップの確認や備蓄)を心がけ、
万が一の事態にも冷静に対応できるようにしておきましょう!